消費者委員会公共料金等専門調査会は東京電力に対する原価算定期間終了後の事後評価で「経営効率化によるコスト削減は本来、規制料金メニューの値下げに反映されるべき」との意見書をまとめた。
意見書は「従業員の処遇改善に充当するのであれば、東京電力は消費者の理解を得るために、どのような処遇改善を行ってきたのか、実績等について情報提供及び説明を行うべき」と指摘している。
消費者委員会公共料金等専門調査会は消費者庁から付議を受けて、今月14日に東京電力ホールディングス、東京電力エナジーパートナー、電力・ガス取引監視等委員会事務局にヒアリングした結果を踏まえて28日までに意見書にした。
この中で「東京電力自ら規制料金メニューの改定を行わないことの妥当性に関して十分に説明していない」とし「電力・ガス取引監視等委員会は東京電力に対し、収支見通し等に関する消費者への丁寧な説明や情報提供を促すべき」としている。
また人件費については「今般の事後評価における料金原価と実績費用の比較で人件費(原価算定期間の平成24年度~平成26年度の3事業年度の平均額で)136億円の増加が示されており、その要因については新・総合特別事業計画(平成 26年1月15日)に基づく、コスト削減計画の超過達成分の一部を原資とする『処遇制度の改編』を実施したためとしている。しかし、経営効率化によるコスト削減は本来、規制料金メニューの値下げに反映されるべきである」と指摘した。(編集担当:森高龍二)