15日、新電力大手「日本ロジテック協同組合」が東京地裁に自己破産の申し立てを行った。同組合は高圧需要家を市場とする特定規模電気事業者の登録されており、高圧市場による新電力の中で5%のシェア、上位5位に入る企業向けの新電力であった。
15日、新電力大手「日本ロジテック協同組合」が東京地裁に自己破産の申し立てを行った。同組合は高圧需要家を市場とする特定規模電気事業者の登録されており、高圧市場による新電力の中で5%のシェア、上位5位に入る企業向けの新電力であった。
電力小売からの撤退原因は資金繰りの悪化によるもの。負債額は今年最大の約163億円、過去最大規模の新電力の倒産である。
電気事業法が改正する前、日本では電気料金を政府が規制する代わりに電力会社は各地域に送配電、発電、小売を独占する事を認められていた。しかし、バブル経済の崩壊後に電気事業法は改正され、1995年には発電、2000年には電気事業一部の小売、05年には中規模需要家(中小の工場、スーパーマーケット、中小ビルなど)への電気供給の自由化に至った。
14年の第186回通常国会により、電気事業法の改正案が成立し、16年4月から小規模需要家部門(一般家庭など)への電気供給の規制も解かれ、電気事業の「小売り」が全て自由化されたことで、一般家庭での電気代が安くなる可能性が上がった。
同組合は登録小売電気事業者に登録がされていない為、一般家庭への電力小売には参入する予定は無かったようだが、この新電力大手の同組合の破産、電気事業からの撤退で大きな不安を残した。
同組合は07年に設立され、3年後10年に「電力共同購買事業」を開始し、15年3月期の売り上げ高は、設立からわずか7年で555億円にまで伸ばす事が出来たが、高額なインバランスペナルティが膨らみ続け、自己破産の申請へと繋がった。千葉県、川崎市、自治体、官公庁、学校、庁舎など全国で約6000件契約し、電気を供給していた。
同組合が電力共同購買事業から撤退し、電気の供給をやめたとしても、代わりに電力会社が供給する為電気が止まる事が無いが、契約を変更する必要があり、契約者が負担する電気料金が増える可能性が危惧されている。
また、多額の未回収金が問題となっており、新潟県の10億9100万円をはじめ、横浜市や名古屋市など、同組合に電気を供給していた20近くの自治体が未回収金を抱えている。同組合が踏み倒した再生エネルギー賦課金は、電気を使う企業や自治体が負担していたため、同組合の破産によって各所に相当な被害がもたらされた。(編集担当:久保田雄城)