東京五輪招致の金銭疑惑について、イギリスでの報道で電通の子会社が関わっていると書いている件について、民進党の枝野幸男幹事長は17日の記者会見で「電通が知らぬ、存ぜぬと常識から外れたことを言っている。場合によっては電通に国会に参考人として来ていただく話だ」と電通関係者に参考人として国会に出席し、説明を求めることも提起した。
電通を巡っては16日の衆院予算委員会でも、オリンピック招致委員会元理事長でJOCの竹田恒和会長が参考人出席し、民進党の玉木雄一郎衆院議員からブラック・タイディング社とコンサル業務契約を結ぶ際、実績確認をどうやって行ったのかを質され「コンサルの売り込みは本人からあった。電通に実績を確認した。電通から十分業務ができる、そして実績があるということを伺い、事務局で判断したと(事務局から)報告を受けている」と契約相手に資するかどうかの判断材料に電通の助言があったことを明かしている。
また玉木議員は16日の委員会で「サミット前までにわが国が独自にしっかり調査をして潔白だということを明らかにすべき。本件に係る契約書、活動報告書、ブラック・タイディング社の実績を証明する文書、財務諸表を、党首討論を行う18日正午までに公表するよう促して欲しい」と求めていた。
この問題は2020年東京オリンピック・パラリンピック招致をめぐり、日本の銀行から2013年7月と10月に東京五輪招致名目で、国際オリンピック委員会委員で国際陸上競技連盟前会長(ラミアン・ディアク氏)の息子が関係するシンガポールの銀行口座に日本円換算で約2億2300万円(280万シンガポールドル)の送金があったとフランス検察当局が発表し、招致に金銭疑惑がかかる国際的な信用問題になっている。電通子会社の名前がある以上、適切な対応が期待される。(編集担当:森高龍二)