熊本地震の影響は、被災地に所在する企業にとどまらず、被災地内に営業所や工場等の拠点を有する県外企業にも広がる懸念がある。また、被災地の復旧・復興および日本経済の震災からの立ち直りに対する見通しも重要となるという。
そこで、帝国データバンクでは、2016年3月末時点の企業概要ファイル「COSMOS2」(約146万社収録)、信用調査報告書ファイル「CCR」(約170万社収録)を基に、県外企業が熊本地震の被災地に所有する営業所、工場等の状況を明らかにした。対象とした被災地は、4月14日以降の地震で震度6弱以上が記録された、熊本県:熊本市、八代市、玉名市、菊池市、宇土市、上天草市、宇城市、阿蘇市、合志市、美里町、和水町、大津町、菊陽町、産山村、西原村、南阿蘇村、嘉島町、益城町、御船町、山都町、氷川町。大分県:別府市、由布市である。
熊本県と大分県で震度6弱以上の被災地において県外企業が所有する営業所・工場等の拠点は2065件あった。そのうち、熊本県は1902件、大分県は163件となった。また、売上高規模別では、熊本県内では「10億~50億円未満」が 30.9%を占め最も多く、「100億~500億円未満」が22.9%で続いた。大分県内では、「1億~10億円未満」が30.7%、「10億~50億円未満」も 30.1%となり、「1億円未満」も含めた売上高50億円未満の企業の営業所・工場数は6割超に達する。2県を合わせた売上高50億円未満の企業の営業所・工場数(1112件)は半数超の53.8%となった。
県外企業が熊本県内に所有する営業所・工場等の拠点は、東京都に所在する企業が最も多く659件(うち工場57件)、次いで福岡県の556件(同29件)だった。大分県内では、福岡県に所在する企業が最も多く80件(同1件)、次いで東京都の36件(同1件)となった。本社所在地は北海道から沖縄まで、全国に広がっているとしている。(編集担当:慶尾六郎)