パソコンやスマホのディスプレイを長時間見続けると、画面を凝視するためまばたきの回数が減って目が乾いた状態になりやすくなる。そうすると必要以上に目に負担がかかり、目の中の細胞や筋肉の疲れを引き起こしてしまう
パソコンやスマートフォンの普及を背景に、視力の低下や目の不調などを訴える人が増えている。最近ではブルーライトをカットする専用メガネやモニターに貼るフィルムなど、目の負担を和らげる商品も多く開発されている。しかし国内ではアイケア意識はまだまだ希薄といえる状況だ。GMOリサーチ<3695>が日本と中国を対象に行った調査では、アイケア意識の日中差が明らかとなった。
まず、普段利用しているアイウェア製品についての質問に「眼鏡」と答えた人の割合は日本65.1%、中国68.5%。「ソフトコンタクトレンズ」は日本28.3%、中国42.9%となり、差が見られたものの、視力を矯正する必要のある人が大多数であることに変わりはということが分かった。
ところが、これが目を保護する製品の「サングラス」となると、日本の9.4%に対し中国は35.6%。「PCメガネ」も日本の9.6%に対して中国では20.1%と高い割合となった。また日本では「何も使用していない」人が23.9%おり(中国は6.4%)、4分の1弱の人は眼鏡などの視力矯正器具やサングラスなどの保護製品を使用せず、常に裸眼で過ごしている人が分かった。
ここまでのデータを単純に見比べると、日本の方がアイケア意識が低いといえそうだが、そもそも背景が少し異なるようだ。まず、スマホの普及率。日本では49.7%なのに対し、中国は74.0%とはるかに高い。パソコンの利用時間についても「1日3時間以上」と答えた割合が日本の41.2%に対して中国は56.6%。スマホの利用時間についても「3時間以上」という回答は日本が13.0%、中国が45.2%。2015年の1年間に中国国内で出荷されたスマートフォンは前年よりも2.5%多い4億3410万台。飽和状態の日本とまだまだ消費が拡大している中国との違いが、今回のアンケートの結果につながったと考えられる。日本はパソコン・スマホを「全く使用しない」と回答した人が27.8%もいたことからも両国の差がうかがえる。
その一方で、普段感じている目の不調ついては「目が疲れる」(日本44.0%、中国47.5%)、「視力の低下」(日本36.7%、中国40.8%)と大差がなかった。しかし、目の健康のために気をつけていることについては、日本の1位は「特に何もしない」の36.9%(中国は2.8%)。中国の1位は「睡眠を多く取る」の52.6%(日本は26.6%)だった。やはり、日本は目の保護や健康への対策意識が中国に比べて低いといえるのかもしれない。(編集担当:久保田雄城)