トヨタ自動車の自動車組立工場が、今年に入って3度目の大規模な停止を余儀なくされている。
5月30日に同社系列部品メーカー大手、愛知県刈谷市のアイシン精機子会社で爆発事故が発生。トヨタ自動車は31日、愛知県豊田市の同社元町工場など国内9工場の14ラインで6月1日朝からの車両生産を取り止めると決めた。ブレーキ部品の供給が出来なくなったためだ。すでに5月31日夜の生産も愛知県刈谷市にある高岡工場など4工場の6つラインで生産を取り止めている。
6月1日に稼働を停止する工場は、トヨタ本体の前出した元町工場と愛知県田原市の田原工場の各2ライン、高岡工場の1ライン。グループ会社ではトヨタ福岡県宮若市の自動車九州、トヨタ車体、豊田自動織機、ダイハツ工業だ。合計9ラインが止まる。結果として、国内に29カ所ある組み立てラインの約半分が止まるわけだ。
31日夜は高岡工場の2ラインに加え、トヨタ車体の愛知県刈谷市富士松工場の2ラインを休止した。トヨタ車体の吉原工場(同県豊田市)の1ライン、クロスオーバーSUV「RAV4」を生産する豊田自動織機のラインも止めた。6月1日の夜以降は同日午前を目途に決定する予定だが、トヨタでは「今後1~2日で生産を全面再開したい」としている。
トヨタは今年2月に、グループ会社の愛知製鋼で発生した爆発事故の影響で国内のすべての車両生産を6日間にわたって停止した。さらにこの4月の「熊本地震」で系列部品メーカー大手のアイシン精機熊本工場が被災。一時は国内の全ラインの9割近い26本を止めた。
この一連の生産休止により約17万台の生産に遅れが出た。今回の事故で、さらに生産遅延が発生するのは避けられない。(編集担当:吉田恒)