今月の19日は「父の日」。「母の日」と比べるといまいち存在が薄いかもしれない。日経ウーマンオンラインが行ったアンケートでは、「父の日に自分の父親に贈り物をする」と答えた人は全体の68%。母の日が77.9%だったことと比べるとまだまだ浸透していないようだ。それを証明するように、日本記念日協会が調べた父の日ギフトの市場規模は約420億円と、母の日の1120億円の半分以下となっている。しかしその分「伸びしろ」がまだあると見て、通販業界や百貨店業界は顧客の掘り起こしに躍起になっている。
アンケートでは、ギフトの人気1位は「お酒」(31.3%)。以下、「衣類」「スイーツ」「スイーツ以外の食べ物」と続く。「一緒に外食」や「靴」、「花」という回答も目立つ。予算としては「4000~5000円未満」(21.7%)がトップで、「3000~4000円未満」(18.1%)、「2000~3000円未満」(15.7%)と続く。「お酒」は、ビールやワイン、日本酒など種類が豊富で「特別感」が出しやすく、相手の好みや予算に対応しやすい点が好まれているようだ。
それらの定番商品とあわせて最近活発化しているのが、体験型の趣味提案だ。ターゲットは60代以上の父を持つ世代。百貨店の担当者も「以前はネクタイとポロシャツが父の日の2大定番でしたが、家族の絆を意識した体験型の商品に軸が移ってきています」と話す。大手通販サイトでは、60歳を過ぎても趣味で生活を充実させている父親をターゲットに特設ページを開設。料理やアウトドア、音楽など各分野の目利きが選んだギフトを販売している。例えば、薫製作りセットや70年代の洋楽ロックを集めたCDなど、プレゼントした側も一緒に作ったり聴いたりして楽しめるものだ。
実際にギフトを選ぶときのポイントは、父親の趣味や好きなものを先にリサーチしておくことだろう。また、「自分が選んだものと義妹が選んだものが同じだった」という失敗を避けるために事前に家族や本人と相談ができそうならしておこう。「禁煙を試みていたので電子タバコをプレゼントしたが結局禁煙できず、電子タバコはお蔵入り」という切ない例もある。一方で「父の名入りラベルのお酒を贈ったらビンが空になった今もリビングに飾ってある」という嬉しいエピソードも。また、「プレゼントを買うお金がなかったとき電話をかけたらとても喜んでくれた」という声も。一番大切なのは、感謝やねぎらいの気持ちをきちんと伝えること、だろうか。 (編集担当:久保田雄城)