文部科学省は道徳教育について「道徳が「特別の教科」になり、入試で「愛国心」が評価されるというのは本当か」「道徳が評価されると、本音が言えなくなり、息苦しい世の中にならないか」と懸念する声に答える形で、「国や郷土を愛する態度などの個別の内容項目の評価はしない」とし「愛国心を評価することなどあり得ない」と断言した。
また「道徳科の評価は入試にはなじまず、入試で活用したり調査書(内申書)に記載したりはしない」としている。
こうした方針は同省の有識者会議で7月の会合で議論を取りまとめ、都道府県教育委員会などに周知するとしている。
文部科学省は道徳教育について「評価は教育改善のためのもの」とし「道徳科では、特に、数値で評価して他の子供達と比較したり、入試で活用したりすることはしません」と説明。
ただ、小学3年生から6年生で「国を愛するこころを持つ」、中学では「日本人としての自覚を持ち、国を愛し、国の発展に努める」という目標には『愛国心は日常の暮らしの中で自然に備わっていくもので、教育現場で教えたり、育んでいくような類のものではない』とする声に答える説得性は乏しい。(編集担当:森高龍二)