この6月に損保ジャパン日本興亜ホールディングス<8630>はファミリーマート<8028>のマルチメディア端末で加入できる自転車保険の販売を開始した。年間3,080円の保険料で最大1億円の賠償補償がつく。同様のサービスは既に三井住友海上<8752>がセブンイレブン(セブン&アイ・ホールディングス)<3382>のマルチコピー機を通して提供している。こちらの1人向けプランでは年に3,990円の掛金で最大3億円の補償をカバーする。どちらも365日24時間いつでも、買い物のついでに手軽に加入できるのがうれしい。
自転車保険の必要性が各メディアで訴えられるようになって久しい。加害者として事故をおこせば高額な賠償責任や刑事責任を負う可能性があり、重い経済負担となる。1億円近い賠償額が請求された例もある。また加害者に支払い能力がなく、けがをした被害者が自費治療を余儀なくされるケースもある。
自転車保険の必要性に気づきながらも加入のきっかけを逸していたユーザーに購入を促すには、思い立った時にコンビニで手続きができるシステムは有効だろう。ところでこのコンビニ自転車保険、肝心の補償内容は他の保険商品と比較するとどうなのだろうか?加入した後で後悔する様なことはないだろうか。
自転車保険の2つの柱は、自分の治療費をカバーする傷害保険と、第三者に損害を与えたときに備える個人賠償責任保険だ。通常、賠償保険には最大で5000万円から3億円ほどの支払い額が設定されている。この賠償補償額と年間保険料のバランスをみると、現在コンビニで販売している2種の保険はややお得な料金設定の様だ。その他の補償内容も平均的で、大きなデメリットは見当たらない。ただし示談代理の有無や入院/手術時の補償額などの諸条件は各社の商品によってばらつきがあるので、気になる場合は、是非ネット加入できる商品も選択に加えて比較検討して頂きたい。
もう医療保険に加入しているので、事故賠償だけが心配という人もいるだろう。その場合は、加入者の家族の賠償責任までカバーするタイプの自転車保険が向いているかもしれない。または、自動車保険の替りに賠償責任保険を選んだ方が保険料を抑えられるだろう。賠償責任保険は単体では販売していないので、お手持ちの火災保険、共済保険、クレジットカード保険等にオプション追加できないか調べてみてはいかがだろうか。(編集担当:久保田雄城)