「個人賠償責任保険」の必要性 年齢問わず加害者になるリスク

2016年03月29日 08:36

画・「個人賠償責任保険」の必要性 年齢問わず加害者になるリスク

「個人賠償責任保険」とは、個人の住宅管理や日常生活の中で発生した損害賠償責任によって被る負担を補償する保険だ。普通に生活していたら事故を起こすことはないだろうという気がするが、他人事とは思えない事例がある。

 「個人賠償責任保険」とは、個人の住宅管理や日常生活の中で発生した損害賠償責任によって被る負担を補償する保険だ。普通に生活していたら事故を起こすことはないだろうという気がするが、他人事とは思えない事例がある。

 2013年、事故当時小学生が運転する自転車と62歳の女性が接触した事故で、小学生の母親に約9500万円の賠償命令が下った。加害者が小学生の子どもであることに加え、自転車事故が高額賠償になりうる事実に衝撃を受けた人も多いだろう。

 また、07年、当時91歳の認知症の男性が徘徊中に電車にはねられた事故では、JR東海<9022>が男性の妻に損害倍訴訟を請求した。二審判決では妻に約360万円の支払いが命じられたが、今年3月1日に破棄され、JR側が逆転敗訴となった。これは損害賠償が発生しなかったケースだが、家族が事故を起こして損害を請求される確率は、想像以上に高いのかもしれないと考えさせられる。

 個人賠償責任保険は、被害者の治療費、修理費、慰謝料に加え、訴訟の際に発生する弁護士費用が支払い対象であり、事故を起こした加害者(被保険者)の怪我の治療費や修理費は補償されない。家族がそれぞれ加入する必要はなく、契約者およびその家族が被保険者となるため、家族に一つあれば良い。家計を同一とする別居の子も被保険者として認められる。

 補償の対象となる事故は「ペットが人に噛みついて負傷させた」「買い物中に店の物を落として破損させた」「水漏れにより階下の家財に損害を与えた」「子どもが遊んでいて窓ガラスや家財、車に損害を与えた」「ガス爆発で隣家を損壊させた」「ベランダの鉢植えが落ちて歩行者に怪我を負わせた」などが挙げられるが、保険によって対象が異なるため、事前に確認が必要だ。

 示談代行サービスが付帯している保険であれば、事故を起こした時に被害者である相手や保険会社との交渉を進めてくれる。

 また、自転車保険にも個人賠償責任特約がある。自転車の利用頻度が高いのであれば、お守りとして掛けておくと良さそうだ。(編集担当:久保田雄城)