経済産業省は、違法動画対策を強化すべく、専門員によるインターネット監視を開始。アニメや映画などをコピーしてインターネットにアップロードするのは違法であり、以前から問題となっていた。何気なくアップロードした動画が著作権を侵害しているケースも。
経済産業省は、違法動画対策を強化すべく、専門員によるインターネット監視を開始した。アニメや映画などをコピーしてインターネットにアップロードするのは違法であり、かねてから問題となっていた。
これまでも全く対策していなかったわけではない。無断に複製した「海賊版」をコンピューターで自動的に検出してきたが、画像の一部を加工・編集してすり抜ける事例が増加しているのだ。コンピューター任せにせず、人の目で二重にチェックする必要が出てきた。この度選ばれた専門員はアニメや動画などの知識があり、違法動画の見つけ方にも精通しているという。
また、放送局や映画配給会社は、業界団体である「コンテンツ海外流通促進機構(CODA)」を通じてインターネットにアップロードされている動画をコンピューターで解析し、違法動画対策に努めている。
注意したいのが、何気なくアップロードした動画が著作権を侵害しているケースだ。アーティストの曲を自分で演奏してブログなどで公開するのも、違法アップロードにあたる。だが、YouTubeやニコニコ動画はJASRAC、イーライセンス、JRCといった音楽著作権管理団体と契約しているため、CD音源を一切使用せず自分で演奏したものや打ち込みで作ったものなら投稿してもいいことになっている。
また、他人が撮影した映像や、CDをBGMに使うのも違法アップロードになる。自分でお金を出して買ったCDであっても、CDの中身の著作権が自分のものになるわけではない。著作権と所有権は全くの別物である。「○秒以内なら使ってもOK」「加工・編集したものなら大丈夫」という噂もあるが、どちらもアウトだ。
違法アップロードは、公衆送信権(送信可能化権)の侵害にあたり、他の著作権侵害と同様に「10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはこれの併科」が科せられる。違法にアップロードされている映像や音声の著作物を違法と知りながらダウンロードする行為「違法ダウンロード」も処罰の対象で「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、またはこれの併科」が科せられるため、注意が必要だ。(編集担当:久保田雄城)