高浜3、4号機、大津地裁、関電の異議退ける

2016年07月12日 20:00

 関西電力高浜原発3、4号機〈福井県〉の運転差し止めを命じた大津地裁の仮処分決定に対し、関西電力が異議申し立てしていた事案で、大津地裁は住民、関電双方の意見を聴取したうえで、12日、関西電力の異議を退ける決定を下した。山本善彦裁判長は「安全性の説明が不十分」とした。関電は大阪高裁に保全抗告する方針。3、4号機は停止した状態が続く。

 関西電力は大津地裁の決定に対し「高浜原発発3、4号機の再稼動禁止仮処分命令を認める決定が出されたが、当社は原審において3、4号機の安全性について、科学的・技術的観点から説明してきた」とし「保全異議の審理においても原審の決定が合理性を欠くことを指摘するとともに、3、4号機の安全性が確保されていることについて丁寧に説明を行った」と強調し、地裁決定に強く異議を示した。

 そのうえで「決定は当社の主張を理解頂けず、誠に遺憾であり、到底承服できるものではない」とし「不服申立ての手続きを行い、早期に仮処分命令を取り消していただくよう、3、4号機の安全性立証に全力を尽くす」と反論している。

 関西電力は再稼働までに時間がかかることを想定し、3、4号機に装荷している燃料を4号機については8月上旬に、3号機についても8月下旬に取り出す作業を始めることを決めている。(編集担当:森高龍二)