高浜原発延長「例外根拠なければ認められない」

2016年06月21日 14:39

 民進党の直嶋正行エネルギー環境調査会長は関西電力高浜原発〈福井県〉が「原発は40年で廃炉の原則」があるにもかかわらず、20年の稼働延長が原子力規制委員会で認められたことを受け、21日、「高浜原発1、2号機の60年運転延長はどのような理由で法律の定める『例外的な場合』に該当するのか明らかでない。政府による明確な説明がなされない限り、運転延長は認められない」と談話を発表した。

 この中で「40年運転制限制が法律の明文に明記された趣旨には、中性子脆化等を踏まえた原発の安全性という科学的な根拠もさることながら、福島第一原発事故の反省も踏まえ、40年で運転を終了させ原発依存度を下げていくという政治的メッセージも含まれている」と40年での廃炉の意味を強くアピール。

 そのうえで「安倍政権は原発60年運転ありきのエネルギーミックスを決定し、40年運転制限制を徹底して原発を再稼働した場合、2030年の原発の運転基数は最多でも21基、発電量は1500億kwh程度に過ぎず、政府のエネルギーミックス達成には700億kwh(100万kw級原発10基以上分)不足することになり、極めて非現実的な数字と考えるが、今回の運転延長はそのシナリオに沿って決定されたものであると言わざるを得ない」と非難した。

 また「昨今の電力需要から考えても、高浜原発1、2号機を稼働させなければならない必然性は明らかでなく、原子力規制委員会が耐震性確認の実証試験を期限前に実施せず、補強工事が完了した後に実施するとしたことも問題が極めて大きい」と提起した。(編集担当:森高龍二)