40年廃炉の原則が早くも骨抜きにされたとの批判も。原子力規制委員会は20日、稼働から40年を過ぎた関西電力高浜原発1号機と2号機〈福井県〉の「稼働から60年まで」の運転延長を認可した。
関西電力は「運転期間延長認可については、全国で初めてであり『後続プラントの先駆けになるもの』と考えている」と脱原発社会と全く方向性の違う視点を浮き彫りにしている。
「今回の認可にあたり、審査に精力的に取り組んでいただいた原子力規制委員会はじめ、審査に関係いただいた皆さまに心より御礼を申し上げます」とのコメント。
また関西電力は「安全性の確認された原子力プラントは速やかに再稼動したいと考えており、今後、早急に詳細な安全対策工事の内容、スケジュールを検討していく」と発表した。2019年秋以降の再稼働になる見込み。
今回の運転期間延長の認可により、1号機は2034年11月、2号機は2035年11月までの延命となる。
エネルギー政策も参院選挙(7月10日投開票)での与野党の争点として、国民が意思を示す機会になることが期待される。原発政策では原発の再稼働を進める自民党は「原発を重要なベースロード電源」とし、2030年度の電源の20%から22%は原発によるエネルギーを是としている。民進党など野党は「脱原発社会、原発に依存しない社会」を掲げている。今回の40年を超える原発再稼働の在り方も含め、選挙で活発な論戦が展開されることが求められる。(編集担当:森高龍二)