関西電力の株主総会、その後の取締役会で28日、代表取締役社長に就任した岩根茂樹社長は事業基盤再生に不可欠な4基の原発早期再稼動に全力を尽くす。将来にわたり重要なベースロード電源として原発を活用するなどを盛り込んだ関西電力グループ中期経営計画(2016-2018)について「即断即決のスピード経営で、必ず成し遂げる」と自社ホームページ『就任あいさつ』で明確にした。
岩根社長は「安全性が確認された原子力プラントの再稼働はもとより」と筆頭にあげるとともに「関西地域における料金メニュー・サービスの拡充や首都圏を中心とした関西域外への本格参入、家庭分野を含むバス事業の積極展開などによる総合エネルギー事業の競争力強化」などに決意を示した。
株主総会は神戸市内で開かれ、福井県にある高浜原発3号機、4号機について大津地裁が運転差し止めの仮処分を決定しており、再稼働が見込めないことなどから業績に見通しがたたないとして、4期連続で無配にすることについて森詳介会長が陳謝。また、八木誠社長は「安全性が確認された原発の再稼働に全力を尽くす」と原発に軸足を置く関西電力の姿勢に変わりないことをうかがわせた。
この日の株主総会と役員会で、森会長は相談役に、八木社長は代表権を持った取締役会長になった。(編集担当:森高龍二)