GfK ジャパンは、2016年5月に電力自由化後の電気事業者変更状況に関する調査を実施した。調査結果から、電力自由化の変更状況や重視点、満足度、料金プランの認知ルート等について発表した。
それによると、電力自由化に関して2016年5月に調査を実施した結果、電力自由化を「聞いたことがある」人は98%に達した。ただし、「内容をよく知っている」とした人はこのうちの9%にとどまり、内容の理解については浸透の余地が残ったとしている。
実際に電力会社を変更した人をみると、全国で7%であった。地域別では東京電力エリアが最も高く9%に上った。また、具体的に変更を検討している電力会社がある人の割合をみると、全国では27%であった。地域別では、関西電力エリア40%、北海道電力エリア35%、東京電力エリア32%と新電力の選択肢が比較的多い地域で高い傾向がみられたという。年代別に検討割合をみると、トップは60歳代以上で31%となった。検討されている電力会社の種類は地域ごとに特徴があり、ガス事業者がトップとなる地域と通信事業者がトップとなる地域に分かれた。
電力会社を実際に変更した人に、変更時の最重視点を尋ねた。その結果、「電気代の安さ」が49%で最多となり、「セット割引のお得さ」が19%で続いた。ただし、電力会社によってはセット割引が最多となるケースもあった。各々のニーズに沿った会社選択が行われていることが伺えたとしている。
電力会社の満足度を変更前後で比較したところ、「満足」とした人の割合は、変更前の会社に対しては39%であったのに対し、変更後では47%に上昇した。ただし、変更後では半数近くが「どちらともいえない」を選択しており、変更後の効果を実感するまでに至っていない人も多いとみられるとしている。
電力会社を変更した人に電力会社の料金プランをどのように知ったかを尋ねたところ、最も多かったのは「電力会社比較サイト」で35%、次いで「電力会社のHP」32%となった。これら項目のポイントは、変更を検討している人と比べると5%ポイント以上高く、早々に電力会社を変更した人は積極的に情報を集めるような意識が高い人が多かったことが伺えたという。ただ、3位には「その他」が入り、マンションの管理組合や不動産会社からの連絡で一括購入したという例も多くみられた。一方、変更を検討している人は「TVCM」で料金プランを知った人が28%と最も高かった。中でも20代では45%が「TVCM」と回答した。今後の電力会社選択は各社のプロモーションの影響が大きくなりそうだとしている。(編集担当:慶尾六郎)