ウィラー・エクスプレス、眠気検知機器導入で高速バスによる事故防止

2016年08月10日 07:16

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ウィラー・エクスプレス・ジャパンは高速バスでの眠気検知機器を活用した安全運行管理を開始した。10月には同社で運行する全192台のバスへの機器設置が完了するとのこと。

 ウィラー・エクスプレス・ジャパンは高速バスでの眠気検知機器を活用した安全運行管理を開始した。10月には同社で運行する全192台のバスへの機器設置が完了するとのこと。ウィラー・エクスプレス・ジャパンといえば、昨年7月、東名自動車道で発生した同社によるバス事故が記憶に新しい。同社では事故によるネガティブなイメージを払拭すべく、安全に対する取り組みを「事業の根幹」とし、最優先事項に置いている。今回の取り組みではハード面からの事故防止策として、総額約1億円を投じて富士通の眠気検知センサー「フィーリズム」と、同機器に連動するネットワーク型デジタルタコグラフを導入。運転手の眠気検知とともに振動や音声で注意を喚起する。さらには個人の特性を機械学習することで環境ごとでの眠気状態の傾向が把握でき、これを運転指導に活かす方針。

 今年1月に発生した長野県軽井沢町高速バスでのスキーツアーバス転落事故を始め、人為的要因によるバス事故が多発するなか、国土交通省による再発防止策も整備されつつあり、6月には「勤務体制などでの遵守事項、運転手の技能、監査システム、旅行業者との関係、ハード面の安全対策」を柱として58ページに及ぶ具体的な対策が打ち出されている。このなかには乗客のシートベルト着用徹底や、ドライブレコーダーによる記録を義務化するなどの決定的な対策が盛り込まれている。直近では7月26日に、運転手の技能面での対策として、雇用の際にバス乗務訓練20時間以上を義務化した。これまでは乗務訓練10時間以下での運用が事業者全体の約6割以上だった。

 国土交通省による「交通事故のない社会を目指した取り組み」でも自動車部会技術安全ワーキンググループによる車両の安全対策についての報告がなされている。このなかで大型車や貸切バスに対してはドライバー異常時対応システムの実用化・高度化が求められており、ウィラー・エクスプレス・ジャパンの今回実施した取り組みはこれに適合する。遵守事項や運転手の技能、営業体制といった面での対策はもちろん必須だが、ハードやシステム面でのこうした対策ではより確実な効果が期待できるため、全バス会社に対しての適用が望まれる。(編集担当:久保田雄城)