GfK ジャパンは、2016年上半期のセル映像ソフトの販売動向を発表した。
それによると、2016年上半期のセル映像ソフト市場(通常DVD、Blu-rayなど全て含む)は数量では前年比1%減の2,007万枚、金額でも同1%減の918億円となった。同社が集計調査を開始した2006年以降、市場は漸減を続けているが、今期に関しては底打ち感も見られたという。
販売チャネル別の金額構成比は、前年からほぼ変化がなく、Eコマースが57%、メディアストアが27%、家電量販店が6%を占めた。ジャンル別の金額構成比では、最大ジャンルの音楽が前年通期の34%から41%へ大幅に拡大した。アイドル系作品が拡大をけん引した。一方で、邦アニメや洋画は構成比が縮小したとしている。
また、2016年上半期のBlu-rayソフト市場は数量前年比5%増の805万枚となった。Blu-rayソフトの平均価格は前年を3%下回る5,600円となった。比較的価格の高い邦アニメの構成比が減少し、価格の低い洋画の構成比が増加したためであるとしている。従ってBlu-rayソフト市場の金額規模は前年比2%増の450億円にとどまった。セル映像ソフト市場全体に占めるBlu-rayソフトの金額構成比はほぼ半数であった。販売チャネル別金額構成比はEコマースが65%、次いでメディアストアが20%、家電量販店が8%を占めた。
ジャンル別金額構成比では、最大ジャンルの邦アニメが前年通期から3%ポイント縮小する一方、音楽や洋画が拡大した。なお、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」が好調だった洋画はBlu-rayへのシフトが順調に進んでおり、数量ベースでは8年ぶりに最大ジャンルとなった。ジャンル別にBlu-rayソフト比率(金額ベース)をみると、最も高かったのは邦アニメで76%、次いで洋画(67%)となった。市場で存在感を増す音楽においてもBlu-rayソフト比率は徐々に高まっており、今期は37%に達した。
2016年下半期のセル映像ソフトは、大きな浮揚要因が見込みづらいため、市場縮小が再び進むことが予測されるという。ただし、Blu-rayソフト市場は拡大を続け、映像ソフト市場における金額構成比は過半を突破するだろうとしている。これによりセル映像ソフト市場全体の平均価格は上昇が続くと見込んでいる。(編集担当:慶尾六郎)