16年の国内IT市場規模は14兆7,973億円に

2016年08月18日 08:43

 IT専門調査会社 IDC Japanは、2016年第1四半期(1月~3月)の実績、および最新の景気動向などに基づき2016年~2020年の国内製品別IT市場予測を発表した。

 2016年の国内IT市場規模は、14兆7,973億円、前年比成長率は0.2%と予測した。国内IT市場を構成する国内ハードウェア市場、国内ITサービス市場、国内パッケージソフトウェア市場の2016年の市場規模と前年比成長率は、それぞれ6兆3,538億円、マイナス3.1%、5兆5,003億円、2.1%、2兆9,432億円、4.4%と予測している。国内IT市場に国内通信サービス市場を加えた国内ICT市場の2016年の市場規模は25兆4,960億円、前年比成長率はマイナス0.2%と予測した。

 2016年の国内IT市場は、ソフトウェア(パッケージソフトウェア)市場、ITサービス市場が堅調な伸びを示すものの、エンタープライズネットワーク機器を除くすべてのハードウェア製品市場がマイナス成長となるため、IT市場全体としては前年比ほぼ横ばいと予測している。

 国内IT市場の2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は0.8%、国内ICT市場のCAGRはマイナス0.3%と予測している。2020年の国内IT市場規模は15兆4,007億円、国内ICT市場規模は25兆1,630億円と予測した。

 2020年は東京オリンピック開催年であり景気が上向く期待が持たれているにもかかわらず、国内IT市場成長率はほぼ横ばいと予測している。直接の原因は、2020年1月にWindows 7のサポート終了を迎えるため2019年に更新需要増が予測されているPC市場が、その反動で大幅なマイナス成長となることだという。PC市場は米国でも縮小傾向にあるが、同国では第3のプラットフォーム市場関連の投資増によりソフトウェア市場などでそれを上回る成長が予測されている。

 一方、国内では現状のIT戦略が続くと、オリンピック開催という景気の上昇時期においても、PC市場のマイナス成長を上回る第3のプラットフォーム関連の戦略的IT投資増が期待できない状況にある。IDC Japan ITスペンディング グループマネージャーの廣瀬弥生氏は「ITサプライヤーは、国内市場において第3のプラットフォームを活用した戦略的IT投資を増加させるために、ITプロフェッショナル(ITユーザー企業)に対し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進していくべきである」と分析している。(編集担当:慶尾六郎)