DeNAとヤマト運輸は自動運転を活用した次世代物流サービスの開発に向けた実用実験「ロボネコヤマト」の共同実施で連携する。同プロジェクトではDeNAの自動運転関連のサービス設計ノウハウにヤマト運輸の物流ネットワークを組み合わせることにより、利便性を追求した次世代物流サービスを展開する予定。
DeNAとヤマト運輸は自動運転を活用した次世代物流サービスの開発に向けた実用実験「ロボネコヤマト」の共同実施で連携する。同プロジェクトではDeNAの自動運転関連のサービス設計ノウハウにヤマト運輸の物流ネットワークを組み合わせることにより、利便性を追求した次世代物流サービスを展開する予定。サービス内容は顧客の望む時間に望む場所で荷物を受け取ることができる「オンデマンド配送サービス」と、インターネット上で地域の複数商店にて商品購入後に、それらを自宅まで配送する「買い物代行サービス」の2種類で、顧客のニーズに充分対応できるかを検証する。自動運転が導入されるのはサービスの一部だとのこと。実験実施期間は2017年3月から1年間を予定している。
自動運転技術は人を運ぶ以外にも物を運ぶ用途での活用が期待されている。国土交通省が予測した「物流2015年問題」が示すように、高齢化社会でのドライバー不足が深刻化しつつあるため、物流にとっての影響が不安視され続けている。こうした社会的課題の解決に向けて通信事業会社やIT企業、研究機関などで開発が進められているのが自動運転技術だ。長距離輸送では新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による大型トラックの自動運転による隊列走行(先頭車両のみドライバーが運転しその後ろを一定の距離を保った無人車両が追走)の研究が実用化に向けて行われている。近距離での配送ではドローンや台車型のロボットの実証実験が進められているほか、ソフトバンクの自動運転プロジェクト「SBドライブ」では移動商店も視野に入れている。また、九州大学とNTTドコモ、DeNAが進める大学敷地内の自動運転バスサービスでは、地域交通や物流などの社会的課題解決への転用も目指している。
現在は私有地内での移動しか許されていない自動運転車だが、法整備や解釈の変更(米国ではAIを自動運転車のドライバーとみなしている)、社会への許容を経ることで公道での走行が可能となる。国民の利便性が高まり、複数の重要な社会課題の解決が見込まれることから、起業や自治体、国の自動運転車実用化に向けた動きは加速していくと考えられる。(編集担当:久保田雄城)