【今週の展望】「夏の流れ」に区切りをつけて秋を迎えるか?

2016年08月28日 20:32

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「避暑地の出来事」が終わり「九月になれば」、NY市場は再び史上最高値更新が続き、「我等の生涯の最良の年」になるのか?兜町でも「何かいいことないか子猫チャン」

 今週、8月第5週、9月第1週(8月29~31日、9月1~2日)は5日間の取引。リオ五輪があった8月の取引も水曜日で終わる。9月2日には8月のアメリカの雇用統計が発表される。月に1回のマーケットのお祭り。

 世界の主要株式市場の休場日は、8月29日に英国、フィリピン、30日にトルコ、31日にマレーシア、9月2日にベトナムが、それぞれ祝日で休場する。

 国内の経済指標、イベントは、8月30日には7月の失業率、有効求人倍率、家計調査(二人以上世帯実質家計支出など)、商業動態統計(小売業販売額など)、31日には7月の鉱工業生産指数速報値、住宅着工件数、機械出荷額が発表される。

 9月1日には4~6月期の法人企業統計、2日には8月のマネタリーベース、消費動向調査、ファーストリテイリング<9983>の9月の国内ユニクロ既存店売上高が、それぞれ発表される。9月2~3日にロシアのウラジオストクで日本とロシアの首脳会談が行われる可能性がある。

 主要銘柄の決算発表は、8月29日はダイドードリンコ、30日は菱洋エレクトロ、31日はウチダエスコ、ACCESS、パーク24、9月1日は伊藤園、内田洋行、2日はモロゾフ、日本駐車場開発、ロック・フィールド、三井ハイテック、ファースト住建が発表する。

 新規IPOは約1ヵ月の夏休みが明けて31日に再開し、今週は2件。その次は14日で、9月は現在のところ9件が予定されている。

 8月31日にデファクトスタンダード<3545>が東証マザーズに新規上場する。 東京が本社で、自社サイト「ブランディア」や「Yahoo!」など他社サイトで、ブランドファッションに特化した宅配買取・販売を行っている。公開価格は1630円。

 9月2日にベイカレント・コンサルティング<6532>が東証マザーズに新規上場する。東京が本社で、戦略・ビジネスコンサルティング、ITコンサルティング、システムインテグレーションを主たるサービスとする総合コンサルティングファーム。公開価格は2100円。最近では珍しい仮条件の下限。

 9月1日にファミリーマート<8028>とユニーGHD<8270>が経営統合しユニー・ファミリーマートHD<8028>が発足する。形の上では吸収合併なので証券コードはファミリーマートのものを受け継ぐ。ユニーGHDは8月29日付で上場廃止。統合会社は9月1日に東証のほか名証にも上場する。

 9月1日に東証1部に上場する福島市が本社のダイユー・リックHD<3546>は、ホームセンターのダイユーエイト<2662>(福島市)とリックコーポレーション<3147>(岡山市)が設立した共同持株会社で、新規IPOではない。両銘柄は8月29日付で上場廃止になる。移行比率はリックが1対1、ダイユーエイトが1対1.1で、ほぼ対等。

 海外の経済指標、イベントは、8月31日のADP雇用統計、9月1日の中国のPMI、アメリカのISM製造業景況指数、自動車販売台数、2日の雇用統計と重要なものが多い。

 8月29日にはアメリカの7月の個人所得、個人消費支出、8月のダラス連銀製造業活動指数、30日にはアメリカの6月のS&Pコアロジック/ケース・シラー住宅価格指数、8月のCB消費者信頼感指数、住宅着工許可件数、31日にはユーロ圏の7月の失業率、8月の消費者物価指数(CPI)、アメリカの8月のADP雇用統計、シカゴ購買部協会景気指数、7月の中古住宅販売仮契約が、それぞれ発表される。

 9月1日には中国の8月の国家統計局の製造業PMI、非製造業PMI、財新の製造業PMI、アメリカの8月のISM製造業景況指数、7月の建設支出、8月の自動車販売台数、4~6月の労働生産性指数改定値、2日にはユーロ圏の8月の鉱工業生産指数、アメリカの8月の雇用統計(非農業部門雇用者数の伸び、完全失業率、平均時給など)、7月の貿易収支、製造業受注が、それぞれ発表される。

 週末の9月4~5日に中国・杭州でG20首脳会議が開催される。

 アメリカの主要企業の決算発表は、8月30日にH&Rブロック、31日にブラウン・フォーマン、セールスフォース・ドットコム、9月1日にキャンベルスープ、ブロードコムが発表する予定。

 前週末26日の終値は16360.71円だった。そのテクニカル・ポジションを確認すると、移動平均は5日線、25日線、200日線は上に、75日線は下にある。前週の26日は21円下の16339円の75日線がサポートライン(下値支持)の役割を果たしていた。5日線は161円上の16521円、25日線は195円上の16555円、200日線は749円上の17109円という位置にある。200日線のポジションは前々週よりも遠ざかったが、まだ太陽系内にはある。

 日足一目均衡表の「雲」は、8月26日時点では15962~16057円。26日終値はその上限から303円、上に離れている。前週末の27、28日に「雲のねじれ」を起こし、29日は16057~16174円。今週は雲の下限の16057円はずっと固定され、上限が29日の16174円から徐々に上がり、9月2日は16266円になる。「雲のねじれは変化日」とよく言われるが、どんな変化が起きるだろうか?

 ボリンジャーバンドは26日終値が、25日線-2σの16176円と-1σの16365円の間にあり、そのポジションがニュートラル・ゾーンから5円だけ下にずれた。わずか5円なので上にも下にも動きやすいとみていい。

 オシレーター系指標は「売られすぎ」シグナルが2個点灯し、それにごく近いのも1個ある。点灯したのはRCI(順位相関指数)とストキャスティクス(9日・Fast /%D)で、ごく近いのは25日騰落レシオである。RCIは-69.2で売られすぎ基準の-50を下回り、ストキャスティクスは18.8で売られすぎ基準の30を下回った。騰落レシオは78.9で売られすぎ基準の75に接近している。それ以外は、ボリュームレシオは52.4、サイコロジカルラインは5勝7敗で41.7%、RSI(相対力指数)は52.6、25日移動平均乖離率は-1.2%となっている。オシレーター系指標を総合的に判断すれば下値は限定で上値は追える。