日韓の防衛当局 北対応で「緊密な協力で一致」

2016年09月11日 09:04

 稲田防衛大臣は10日、韓国の韓民求(ハン・ミング)国防部長官と電話会談し、稲田大臣は「北朝鮮の核実験への対応に関し、日米韓情報共有取決めの活用などを含め、日韓・日米韓で緊密に協力・連携していくことが重要である」旨を伝えた。

 防衛省によると、稲田大臣の投げかけに、韓長官からは「北朝鮮の5回目となる核実験は、朝鮮半島はもちろん、世界の安定と平和を脅かす深刻な挑発行為であり、国際社会の一致した努力が重要であるとの発言があり、両国の様々な枠組みを通じて、防衛当局間の緊密な協力を行っていくことで一致した」という。

 9日夜行われた日韓首脳会談で、両国首脳が北朝鮮に対し、これまでとは違う対応をとらなければならないとの認識で一致している。

 また、聯合ニュースによると、朴槿恵(パク・クネ)大統領は北朝鮮の5回目の核実験に「権力を維持するために周辺国の忠告に耳を貸さない金正恩(キム・ジョンウン、朝鮮労働党委員長)の精神状態はコントロール不能とみなければいけない」と激しい批判と強い懸念の発言を行ったと伝えている。

 また、朴大統領は「今年2度目の核実験は、国際社会に対する全面的な挑戦とみなすしかない」と非難。「われわれと国際社会の我慢は限界を越えている」と強い表現をしたことも伝えた。

 一方、韓国統一部の洪容杓(ホン・ヨンピョ)長官が9日の国会外交統一委員会全体会議で、野党議員に近いうちに6回目の核実験があるかの、可能性について問われ「そういう可能性を排除することはできない」と答えたとしている。「北が核実験の準備を続けていたことに加え、関連した動きをみると可能性はある」とみている。しばらく、北朝鮮の動向から目をはなせない状況だ。(編集担当:森高龍二)