羽田第2ビル、五輪訪日客に対応すべく国際線共用へ

2016年09月27日 08:22

画・羽田第2ビル、五輪訪日客に対応すべく国際線共用へ

2020年3月末から、羽田空港の第2ターミナルビルが国際線との共用ターミナルになりそうだ。東京五輪に向けて、訪日客の増加と国際線の増便に対応したい狙いがある。国際線が増えることで、ビジネスで訪れる外国人や輸出品の増加にもつながるだろう。

 2020年3月末から、羽田空港の第2ターミナルビルが国際線との共用ターミナルになりそうだ。国土交通省が方針を固めたという。東京五輪に向けて、訪日客の増加と国際線の増便に対応したい狙いがある。

 現在、羽田空港のターミナルビルは3棟あり、「第1」は日本航空<9201>などが使用、「第2」は全日本空輸<9202>などが使用しており、どちらも国際線専用。残りの1棟が国際線専用だ。国際線ターミナルビルは建物も駐車場も拡張が困難であるため、第2ターミナルビルを増築することになった。

 国際線エリアを設ける他、訪日客がショッピングを楽しめる免税店、専用の出入り口、入国審査などの施設などもつくるという。

 国土交通省は、深夜・早朝時間帯以外の国際線の発着数を20年までに15年の約1.7倍に相当する約9.9万回にまで増やす方針を示している。国際便の発着数が想定数にまで増えた場合、国際便の利用者数が1,964万人(15年比約1.55倍)になり、そのうち訪日客は791万人(15年比約1.59倍)、経済波及効果は年間6,503億円、年間4.7万人の雇用増加が見込めるとしている。経済波及効果の内訳は、訪日客などの消費増加などによる直接効果が2,842億円、直接効果に伴う関連作業の売上増加などによる波及効果が3,661億円。

 国際線が増えることで、ビジネスで訪れる外国人や輸出品の増加、訪日客のさらなる誘致にもつながるだろう。訪日客が羽田空港から国内便に乗り継ぐことで、地方への経済効果も期待できる。

 観光需要の息を長いものにするためにも、東京五輪では首都圏のみならず、地方にも回遊するルートを整備し、観光資源の魅力を向上させることが重要だ。東京五輪の建設投資の中には、民間ホテルの新築や増改築、商業施設の建築、都心の再開発などの間接的な需要も含まれているという。

 今もなお訪日客が増え続けているが、胡坐をかくわけにはいかない。世界との交流がより活発になれば、日本の魅力も発信しやすくなるだろう。地方による誘致活動も必須だが、羽田空港の今後の発展が大きな要になるはずだ。(編集担当:久保田雄城)