JR東日本<9020>の発表によると、山手線の品川─田町間で計画中の新駅が2020年春に開業する予定という。新駅は京急線<9006>と都営浅草線の泉岳寺駅とほぼ同じ場所にでき、駅舎のデザインは建築家の隈研吾氏が手掛ける。
東京五輪のメインスタジアムである新国立競技場のデザインも隈氏によるものだ。新駅の屋根は折り紙や障子をモチーフにした和を感じさせるデザインで、壁面はガラス張り。コンコース内には大きな吹き抜けを設置する。和の趣と開放感がどのようにマッチするか、完成が楽しみだ。
予定では、20年の開業後にJRの車両基地がある隣接エリアが再開発され、24年に複数の複合ビルが立ち並ぶ街に生まれ変わるという。東京五輪が開催される直前の春に開業となるが、この時点で完成している建物は少なく、暫定開業ということになる。本格的な開業は24年になりそうだ。
新駅の建設予定地のそばに建つ京急の本社ビルも再開発の対象で、19年秋には横浜に本社を移転すると発表している。新駅開発は京急にとってもビッグチャンスだ。新駅周辺に企業や人材が世界中から集まるようになれば、京急の品川─羽田空港間の利用者が増える。
また、京急は品川駅前に「シナガワグース」などのビルを複数所有しており、27年のリニア中央新幹線・品川開業に照準を合わせて、ホテルやオフィス、商業施設などの複合施設に建て替えるという。
西武ホールディングス<9024>は品川駅前に所有するプリンスホテルを東京五輪まではホテルとして運営する方針だが、ホテルが立地する13万平方メートルのエリアの再開発を構想しているという。
新駅名はまだ未定とのこと。HOME’S PRESSが実施したアンケート「東京都民に聞いたJR山手線の新駅『駅名ランキング』」によると「高輪」「新品川」「芝浦」「東京サウスゲート」「オリンピック2020ターミナル」などがあがっている。
新駅開業と再開発で住宅やオフィスなどの獲得競争も過熱するだろう。しかし一方で東京五輪後の需要減少をいかに切り抜けるかという課題も残されている。(編集担当:久保田雄城)