ニールセンは、スマートフォン視聴率情報Nielsen Mobile NetView(ニールセン・モバイル・ネットビュー)、PC版インターネット視聴率情報Nielsen NetView(ニールセン・ネットビュー)のデータをもとに、2016年上半期のPCとスマートフォンの利用実態と、特に今回はスマートフォン ヘビーユーザーにフォーカスし、その利用実態をまとめたレポート「Digital Trends 2016 上半期」を公開した。
それによると、スマートフォンからのインターネット利用者数は2016年8月時点で5,697万人となり、PCからの利用者数の1.3倍の規模となった。スマートフォンの利用者を、利用時間が長い順に並べ、上位20%をヘビーユーザー、下位の20%をライトユーザー、残りの60%をミドルユーザーに分けると、利用時間が長いほど34歳以下の若年女性が多くなり、ヘビーユーザーでは32%を占めた。また、利用時間に占める各サービスカテゴリのシェアをユーザー層の間で比較すると、ヘビーユーザーは「ソーシャルネットワーク」や「ゲーム」が占める割合が高くなっていた。
次に、動画サービスのヘビーユーザーを見ると、1回あたりに利用する時間に大きな違いは見られなかったという。しかし、1カ月の間に利用する日数では、ヘビーユーザーは利用者全体の2倍以上の日数で利用していた。特に無料動画では、利用者全体では1カ月間のうち平均して8日利用するのに対して、ヘビーユーザーは平均20日利用していた。
同社シニアアナリストの高木史朗氏は、「スマートフォンの利用状況を全体からみると、シニア層の利用者数が増えていますが、ヘビーユーザーに絞ってみると若年女性が中心となっています。マーケティングにおいてユーザーをセグメンテーションしコミュニケーションプランを立てることは一般的ですが、サイトやアプリにおいても同様に考えることができます。例えば、ヘビーユーザーの特徴を把握し同じような属性のミドルユーザーの利用を促進する、といった具体的な目的に落とし込むことで、効果的なサイト改善やコミュニケーションの設計を立案できるようになるでしょう。その際に重要なのは、サービス利用を“習慣化”させることです。今回は動画にフォーカスして利用状況をみましたが、ヘビーユーザーがそのサービスを習慣的に利用している点は非常に重要です。生活時間は限られているため、1日の中で利用時間を増やすには限度があります。ヘビーユーザー分析から得られる知見をもとに、サービスの利用を習慣化させるという視点で、消費者との関係を深める策を考えていくことが必要でしょう」と述べている。(編集担当:慶尾六郎)