消費者金融に生命保険…大手通信キャリアが新サービスを続々発表、その狙いは?

2016年09月27日 07:10

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大手通信キャリアが新たな動きを見せている。NTTドコモはドコモショップで保険の代理販売をスタートし、ソフトバンクはみずほ銀行と消費者金融で合弁会社を設立するという。

 大手通信キャリアが新たな動きを見せている。NTTドコモ<9437>はドコモショップで保険の代理販売をスタートし、ソフトバンク<9984>はみずほ銀行<8411>と消費者金融で合弁会社を設立するという。

 ドコモが保険を取り扱い始めたのは2010年のこと。国内・海外旅行保険や1日自動車保険などの損害保険「ワンタイム保険」は、携帯電話を通して加入できるという手軽さが好評だそうだ。

 そして今年9月1日より、新たに生命保険の代理販売を始めた。関東甲信越のドコモショップ11店舗で取り扱っており、おおむね2つの専用カウンターが設置されている。ドコモショップの従業員を有資格者になるまで育成し、携帯電話を販売するスペースを保険販売に割くという力の入れようだ。

 ソフトバンクとみずほ銀行の合弁会社は11月に設立し、17年までに事業を開始する予定。この消費者金融の最大の特徴は、スマホの専用アプリで「プリ・スコアリング」という属性による事前の予備審査を実施し、金利と融資額を示す「スコア・レンディング」だ。

 プリ・スコアリングを受けてスマホから融資を申し込むと、30分以内に銀行口座に振り込まれる仕組みだという。スマホで申し込みから融資まで全てが完結するため、人員やインフラを最小限に抑えることができる。その分、低い金利を提示できれば大きな強みになるだろう。

 みずほフィナンシャルグループの佐藤社長は「一生懸命人生を頑張る人の夢の実現を応援したい」、ソフトバンクの孫社長は「一人一人の夢と目標をサポートしたい」と、若い顧客の存在を強く意識している。

 大手通信キャリアは分岐点に立たされている。総務省は利用者の料金負担の軽減を目的として、仮想移動体通信事業者(MVNO)への移行を促しており、大きな流れが生まれている。さらに、実質ゼロ円でのスマホ販売が禁止され、他のキャリアから顧客を奪うことも難しくなってしまった。

 となると、今抱えている顧客にメリットを打ち出していく他ない。少しでも長く使い続けてもらうためには独自のサービスが必須と言える。新たな活路を見出せるだろうか。(編集担当:久保田雄城)