安倍晋三総理は配偶者控除への見直しについて、29日の参院本会議で「働く女性が不便さを感じ、働く意欲を阻害されることのないよう、各種制度の整備が重要だ」とした。
そのうえで「社会保障に関しては個人の働き方は多様なので、世帯単位か、個人単位かという議論より、働き方に中立とし、短時間労働者の労働参加を促進するため、被用者保険の適用拡大を進めていくことが重要であり、配偶者控除については、女性が就業調整を意識せずに働ける仕組みをつくる必要がある」とした。
安倍総理は「一方で、家庭における配偶者の貢献を評価すべきとの指摘もある」とし「働き方や家族の在り方について、国民的議論を行いながら、十分に検討していく問題だ」とし「政府や与党の税制調査会において、丁寧に議論を進めて頂きたいと考えている」と議論を丁寧に進めていくよう求めた。
民進党の矢田わか子参院議員の質問に答えた。矢田議員は「配偶者控除のいわゆる『103万円の壁』を取り払い、女性の社会進出を促進させようとする考えのようだが、真に女性の社会進出を促すには、年金・医療などの社会保険制度や雇用制度を含むトータルな政策パッケージで提起する必要がある」と提案。
そのうえで「配偶者控除廃止による約6300億円分の財源をどのように使うのか。また税・社会保険を現在の『世帯単位』で考えるのか、簡明な『個人単位』に再編するのかという課題もある。検討の方向性について、総理より見解を伺いたい」と質した。(編集担当:森高龍二)