飲料メーカーの春夏新商品は、熱中症対策商品が豊富

2012年04月16日 11:00

 4月に入り、飲料各メーカーによる夏向け商品の発表が本格化している。今年は、昨年同様の節電による暑さ対策が求められる可能性もあり、単なるミネラルウォーターに加えて、より効率的・効果的な水分補給を可能とする商品が多くラインナップしているようである。

 ミネラルと健康をテーマに、海洋深層水や健康食品を取り扱う赤穂化成では、4月16日から、汗に近いミネラルバランスを再現したノンカロリー飲料「熱中対策水 梅干し味」を発売すると発表。2008年より発売している「熱中対策水」シリーズは、2009年に発売開始した「熱中対策水 レモン味」の出荷数が2011年度に前年比250%となるなど、「水分」と「塩分」をバランスよく補給出来る飲料として売上が高伸長。ノンカロリーのため、糖分を含むスポーツドリンクや清涼飲料水などを大量に飲み続けることによって起こる急性の糖尿病「ペットボトル症候群」になる心配もなく安心して飲める飲料となっている。今回の新商品は、体温調節機能の低下による脱水が起こりやすい高齢者に向けたもの。こまめな水分補給を促すために、パッケージラベルに飲用量が分かるメモリも印字されているなど、効果的な水分補給のための対策が随所に見られる商品となっている。

 日本人の味覚に馴染みやすい梅を利用した飲料は、ダイドードリンコからも発売されている。2012年の春夏商品として同社が発売している「五代庵 梅の恵み微発泡」は、170年以上の歴史と伝統を誇る老舗紀州梅本舗「五代庵」の梅素材を使用した、「伝統の風格」と「匠の技」で作られた梅素材が織りなす、爽やかな風味にこだわった商品。このシリーズに「五代庵 梅の恵み純粋仕立て」がラインナップし、サイズも500mlと1.5Lの利用シーンの幅を広げ、効率的な水分補給を促すための施策が取られている。

 さらに化粧品メーカーのポーラからは、水分補給と同時に美容も図ることの出来る「ハイポトニック ウォーターバランスアクア」を5月2日から発売。水分を素早く吸収し、長くとどまらせるハイポトニック(低浸透圧)設計でありながら、発汗で失われがちな4種類のミネラルをバランスよく配合し、汗をかく季節やスポーツ時、熱中症対策の水分補給用として訴求を図る。味には、女性に人気の高いグレープフルーツ味を採用、また、高純度のヒアルロン酸も配合しており、体の内側から潤いを補給する化粧品会社ならでは視点から開発した美容系機能性飲料となっている。

 マスコミなどでも対策の必要性が報じられ、その危険性の認識が広まっているにも関わらず、国立環境研究所によると、熱中症患者の減少はあまり見られないようである。こういった中、高齢者の多くは1日の大半を自宅で過ごしているため、高温でも普段と同じように生活し、特別の対策がとられなかったためか、気温の上昇に伴って発生率も単調に上昇しているという。殊、女性熱中症患者の内、その過半数は65歳以上が占めているという。今は飲料メーカー主体の水分補給が対策の中心となっているが、今後高齢化が進むにつれ、高齢者の熱中諸対策グッズ、暑さ対策グッズの市場が大きくなるのかもしれない。