50代以上の約74%で筋肉枯れの状態に RIZAPが健康意識調査

2016年10月09日 08:01

 健康促進事業を展開するRIZAPは、50代以上の中高年を対象に健康意識調査を実施した。同調査によれば「これからの人生を有意義に過ごすために、運動が必要」と考えている人が「必要だと思う」(70.5%)、「どちらかといえば必要だと思う」(27.0%)の合計で97.5%だったのに対して、「普段充分な運動が出来ている」人は「出来ている」(7.0%)、「どちらかといえば出来ている」(19.5%)の合計26.5%にとどまった。さらに、運動が出来ている人が、健康維持のために「どのような運動」を行っているかたずねたところ。「ウォーキング」と答える人が最も多く、67.9%におよんだ。しかし、ウォーキングは健康維持にとって良い運動ではあるが、筋肉をつける効果に関してはそれほど期待できないことがわかっており、このことから、中高年のなかの高い割合の人で筋肉の衰えが懸念される結果となった。

 筋肉は姿勢や運動機能を保持してエネルギー代謝を促す=老化を防ぐために重要な役目を果たしている。また、閉経後の女性に多い骨粗しょう症や、活動が乏しくなることからの廃用症候群の予防のためにも筋肉をつけることは不可欠だ。こうした重要な役割があるにも関わらず、筋量を維持することの必要性は意外なほど理解されていないのが現状だ。「筋トレに対するイメージ」をたずねたところ、「普段から運動していない人には辛い」(55.5%)、「忍耐力がある人でないと、継続することが難しい」(31.5%)といった意見が多く、なかには「ダンベルを使って行う激しい運動」(19.0%)と考える人もおり、筋トレに対して敷居の高さを感じていることがうかがえる。

 筋量は20~30歳をピークに毎年1%ずつ減少していくことが知られており、80歳では30歳時の約半分以下になっているといわれている。筋肉を鍛えることで筋量の減少速度を抑えることができるが、上記調査からも多くの中高年が「筋肉枯れ」の危険な状態に陥っていると予想される。正しい運動と食生活によって中高年からでも無理なく筋量を回復できる。近年ではRIZAPや大手スポーツクラブでの運動・食事指導プログラムが充実している。また、仲間と楽しくできる健康体操などにも一定の効果があり、和歌山県のご当地体操「ワダイビクス」などが人気だ。大事なのは楽しく続けられることで、ある程度の筋肉への負荷も達成感があればそれほど辛さを感じることはない。超高齢化社会に突入した日本では、健康寿命を延ばす取り組みが盛んだが、正しい運動指導のもと無理なく運動を続けられるプログラムがもっと身近になるような仕組みが必要だ。(編集担当:久保田雄城)