東芝が提供するデータを「知識」に変えて活用する「RECAIUS知識探索・活用サービス」とは

2016年10月11日 06:58

 一般文書、メール、ソーシャルメディアなど、企業の内外に存在する「テキストデータを含む非定型データ」は、表現のあいまいさやゆらぎなどがあるため分析が難しく、その有効活用は企業における課題の一つとなっている。

 東芝インダストリアルICTソリューション社は音声・映像活用クラウドAIサービス「RECAIUS(リカイアス)」シリーズとして、多様なデータをクラウドで「知識化」して活用する「RECAIUS知識探索・活用サービス」の提供を開始した。アプリケーションやサービスに利用できるPaaS(WebAPI)で提供している。

 同社の自然言語処理技術や知識処理技術により、これらのデータから人が知りたいことや欲しい情報をスムーズに検出し、アプリケーションやサービスの価値や顧客満足度を向上させる「知識」として活用できるという。さらに音声認識や画像認識のサービスと組み合わせることで、テキストのタグ付けがされた音声・画像などのメディアデータも知識として活用できるようになった。

 サービスでは、さまざまな形式のデータからテキストをクラウドに取り込んでその内容を分析し、アプリケーションやサービスからテキスト解析、要約、検索できる機能をWebAPIで提供する。

 「テキスト/ファイル登録」機能は、ファイル・Web・メールなどのデータから抽出されたテキストを解析し、「知識ベース」として登録。「テキスト解析」機能は、文章中の語と関連する語や、検索結果中の特徴語を抽出します。「要約」機能は、文章中の重要となる部分を抜き出す。また、「検索」は全文検索やタグ情報の検索機能を提供する。

 これらの機能を組み合わせることで、例えば、コンタクトセンター向けのソリューションでは次のような知識活用が可能になるという。過去の問い合せ履歴、商品マニュアル、仕様書などのデータを蓄積し、「知識ベース」としてデータベース化する。顧客から「使用期間1年で背面のモーターから異音が出るようになった」という問い合せがあった場合、問い合わせ内容から「使用期間」、「1年」、「背面」、「モーター」、「異音」、「出る」などのキーワードが自動で検出され、「知識ベース」から、問い合せ内容に近い情報を候補としてオペレータに提示。さらに、問い合わせ内容に含まれていない「パネル」、「裏側」、「振動」など、検索結果の絞り込みや用語の言い換えのための言葉(関連語)をヒントとして推薦し、オペレータの問題解決を支援するとしている。

 今後、クラウドAIサービス「RECAIUS」を支えるエンジンとして、音声・画像・テキスト・センサーなどの人をとりまくメディアデータの蓄積、知識の抽出・継続的な情報更新、活用などの機能を多くのユーザが利用できるようにサービスを拡充していく方針だ。(編集担当:慶尾六郎)