厳寒リスク織り込みでも全エリア予備率3%以上

2016年10月27日 07:31

 経済産業省の2016年度冬季電力需給見通し検証の結果、2011年度の冬季並み(北海道エリアについては更に厳寒だった2010年度並み、東北及び東京エリアについては2013年度並み、沖縄エリアは2015年度並み)の厳寒になるリスクを織り込んでも「全てのエリアで電力の安定供給に最低限必要な予備率3%以上を確保できる見通しである」ことが26日までに分かった。

 総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会の電力・ガス基本政策小委員会が検証報告のまとめたもので「今冬の節電要請は不要と考えられる」と結論している。

 報告書では北海道エリアにおいては「2017年1月で予備率16.2%を確保できる見通しであるが、他電力からの電力融通に制約があることや発電所1機のトラブル停止が予備率に与える影響が大きいこと、厳寒により万一の電力需給ひっ迫が生じた場合、国民の生命、安全を脅かす可能性があること等を踏まえると、追加的な需給対策を検討する必要がある」としている。

 また「本年4月に電力全面自由化が実施されたことを受け、今冬の需給検証は、従来とは異なり、旧一般電気事業者のみならず、新規参入者の需給も含めたエリア全体でのより精緻な分析でもあり、今冬の需給は安定するといえる蓋然性が高いことから今冬の節電要請は不要と考えられる」とした。(編集担当:森高龍二)