連合の逢見直人事務局長は8日、与党の平成29年度税制改正大綱に「連合は、くらしの底上げ・底支え、格差是正をはかる観点から、税による所得再分配機能の強化に重点を置いた税制改正を求めてきたが、大綱において、配偶者控除の見直しという小手先の制度変更が盛り込まれる一方で、所得税の抜本的な見直しが先送りされたことは誠に遺憾」との談話を発表した。
逢見事務局長は「配偶者の就業調整に関しては配偶者特別控除創設で制度上の問題はすでに解消されている」とし「今回の見直しによる効果は限定的で、本人の年収に応じて控除額が縮小する制度が取り入れられたことで、ますます複雑な制度となった」と指摘した。
そのうえで「世帯間の所得格差が拡大する中、税による所得再分配機能の強化に向けて、所得控除の税額控除化をはじめ人的控除全体の見直しも含めた所得税の再構築が必要』と提起している。
また「企業年金積立金に対する特別法人税の凍結は日本銀行のマイナス金利政策を踏まえ、3年延長されることとなったが、本来なら撤廃するべき」とも指摘した。(編集担当:森高龍二)