財務相、消費税10%の是非は「来年末に判断を」

2013年10月13日 16:46

 8日、麻生太郎財務相は閣議後の記者会見で、2015年10月に予定されている消費税の8%から10%への引き上げの判断時期に関して、「消費税増税により2%の税収が上がるかどうかで歳入も変わるので、来年の12月までには決めてもらわないと、予算編成がきわめて難しいものになってしまう」とコメントし、来年末には最終的な判断を下すとの見通しを示した。それぞれの年度予算は、通常であれば翌年度の税収見込みなどを鑑みて、前年の12月末には閣議決定される。

 こうして麻生財務相が消費税の10%引き上げの判断時期に関して、公式に言及したのは初めてのこととなる。また麻生財務相は、消費税を10%に引き上げる理由に関して、「10%というのを決めた背景には、社会保障関係の歳出が毎年1兆円ずつ伸びていることが挙げられる」と述べた。

 現在政府は、実施の判断時期を当初予定していた15年4月から、15年度の税制改正を取りまとめる14年末に4ヶ月ほど前倒しすることで調整を進めている模様。政府高官は7日に、10%に引き上げるかどうかの判断時期に関して、「来年中に判断を下すことになると思われる」と述べている。

 消費税を10%に引き上げる時期は、8%へ引き上げることを決断した時と同じように、景気の動向を鑑みて6ヶ月前の15年4月とされていた。しかし、各年度の予算は通常であれば、税収見込みを決定し赤字国債規模などを踏まえた上で、前年の12月末に閣議決定される。軽減税率の導入も税制大綱に盛り込んだ方が混乱も少ないとみて、判断時期を前倒しする必要があると判断したようだ。15年4月には統一地方選挙も行われることから、政治の混乱を避ける狙いもあるのだろう。

 昨年8月に成立した消費増税法によれば、消費税率は14年4月に8%、15年10月に10%というように、2段階を経て引き上げられることが決定している。ただし法律の付則条項では、景気悪化などにより経済状況が思わしくない場合には、税率引き上げを取りやめることが出来ると規定されている。(編集担当:滝川幸平)