日経平均終値は3.09円高の19253.61円、TOPIX終値は-1.56の1538.69。売買高は20億株、売買代金は2兆5448億円。値上がり銘柄数695よりも値下がり銘柄数1165のほうが優勢。プラスは12業種で、その上位はゴム製品、情報・通信、精密機器、電気・ガス、証券、電気機器など。マイナスは21業種で、その下位は不動産、石油・石炭、卸売、非鉄金属、水産・農林、医薬品など。上海総合指数は0.45%安だった。
15日の日経平均は小幅に8営業日続伸。10月のユーロ圏鉱工業生産指数は前月比-0.1%でプラスの市場予測を裏切った。前年同月比は+0.6%。ヨーロッパ市場はFOMCの結果発表前なので様子見で反落。アメリカの11月の経済指標がまとめて発表されたが結果はまちまち。卸売物価指数は+0.4%で市場予測を上回り5ヵ月ぶりの大幅な伸び。小売売上高はブラックフライデーもサイバーマンデーもあったが+0.1%と減速し市場予測を下回った。鉱工業生産は-0.4%で市場予測を下回り大幅低下。設備稼働率は75.0%で市場予測を下回った。10月の企業在庫は-0.2%で11ヵ月ぶりの大幅減少だった。
FOMC(連邦公開市場委員会)の結果は、大方の予想通り1年ぶりの金利引き上げ決定。FF金利レートを0.25%分上げて0.50~0.75%とし15日実施。それよりもインパクト大だったのが2017年の経済見通しとともに発表された利上げ見通しだった。9月時点と比べ年間GDP成長率見通しは+2.0%から+2.1%に変わっただけだが、年間の利上げの回数の想定は2回から3回に増加。金融引き締めが意識され、発表直後には上昇したNYダウはすぐマイナスに変わった。イエレンFRB議長は記者会見で物価の上昇を懸念し、トランプ新政権の政策について「現時点では不明確。今後の変化を見て内容次第で金融政策に反映する」と表明したが、財政政策で公共投資や減税を派手に行ってインフレになるのを警戒している。
そのトランプ次期大統領は、すでに「ホワイトハウス化」したNYのトランプ・タワーでIT企業の経営者と通称「Techサミット」の会合を行った。115円そこそこだったドル円レートは発表後に116円台になり、さらに117円台へドル高円安が急進した。金先物は下落。原油先物市場は為替のドル高を反映して終値51ドル台に下落し、5営業日ぶりの反落。株式市場ではエネルギーセクターの株価が足を引っ張った。アメリカの長期金利は2.5%台まで上昇しNYダウは118ドルの3ケタ安で8営業日ぶりの反落。NASDAQ、S&P500も反落。朝方の為替レートはドル円が117円台前半、ユーロ円が123円台前半。大阪夜間取引終値は19260円。CME先物清算値は19340円。
日経平均始値は74円高の19327円。高値は9時16分の19436円。安値は1時2分の19192円。終値は20円高の19273円。臨時国会会期末で通称「カジノ法案」ことIR関連法案が深夜に可決・成立した。取引開始前に日銀が12月の日銀短観の物価見通しを発表し、1年後の消費者物価指数(CPI)は+0.7%で9月の+0.6%から上振れ。3年後の見通しは+1.0%、5年後の見通しは+1.1%。2%はまだ遠い。
FOMCの「利上げ決定、来年利上げ3回想定」、ドル高円安急進を受けて日経平均は19300円台に乗せて始まる。TOPIXもプラス。始値を「寄り安」に序盤で19400円を突破し年初来高値を更新するが、そこで利益確定売りが入ってストップがかかる。ドル円レートはさらに円安が進行し117円台後半。しかし、じわじわと値を下げ10時までに19300円を割り込む。10時台は19300円をはさんで上下に振れるがプラス圏は維持。しかし11時台になるとマイナスになる。為替レートに変化はなく、上海市場の下落や、この日から2日間の日程で始まる日ロ首脳会談の結果待ちが影響している模様。国際金融の教科書通りならアメリカが利上げすると中国やロシアなど新興国から資金が逆流する。19200円台は保って前引けは28円安。TOPIXはわずかにプラス。日銀買いは今年からTOPIX重視なので、前引けのTOPIXがプラスだと買いが入らない可能性がある。
為替レートに大きな変化はなく、後場は日経平均はマイナス、TOPIXはプラスで再開する。0時台はプラスにタッチするだけにとどまるが、1時台に突破すると引き続き上昇し19300円を超える。後場にプラスにひっくり返るのは3日連続。3年前から話題が浮いては沈んできたカジノ関連銘柄は法案可決・成立で材料出尽くしなのか下落。2時台には一段と上昇して3ケタ高の19300円台後半。ドル円は117円台半ばで早朝ほどの円安水準ではない。終盤は前日と同じように上げ幅を圧縮していくが、マイナスになりかけたところで時間切れ。日経平均は8営業日続伸。TOPIXは反発した。日銀のETF買いはこの日、TOPIXの前引けがプラスだったために入らなかった。12月はまだ4回で、今年分の買入枠がほぼ4回分の2800億円ほど残っているという。
新規IPOが1件。人材紹介業、それに関連したインターネットメディアの運営を行うMS-Japan<6539>が東証マザーズに新規上場。公開価格2080円より5.7%高い2200円の初値がついた。14日のキャリアインデックスと業態がかぶり、同じように早々と初値が出て公開価格比で小幅高の「一応、白星」。