米軍北部訓練場4千ha日本に返還で総理発表

2016年12月22日 11:03

安倍晋三総理は沖縄県の米軍北部訓練場の過半にあたる約4000haの日本への返還式を22日に控えた前日の21日、米国のキャロライン・ケネディ駐日大使と共同発表し「先ほど、日米合意がまとまり、明日、返還が実現するとの報告を受けた。4000ヘクタールは、沖縄県内の米軍施設の約2割に相当する面積であり、沖縄の本土復帰後、最大の返還となる」と意義を強調した。

 また「返還は基地負担軽減にとどまらず、跡地利用を通じた地域振興にも大きく寄与する」とし「地元の東村(ひがしそん)や国頭村(くにがみそん)が要望している国立公園の指定や世界自然遺産への登録についても、政府としても、最大限の支援を行っていく」とした。

 安倍総理は「ヘリパッドの移設により影響を受ける方々に十分に配慮を行っていくことは当然で、引き続き、米側と協力し、地元の生活環境に十分配慮していくよう取り組んでいく」と語った。

 また、安倍総理は沖縄負担の軽減のためできることはすべてやるとの方針を語り「普天間の空中給油機15機全機について、一昨年、岩国への移駐を実現した。西普天間住宅地区についても、昨年、返還が実現し、跡地へは病院の建設が決定している。さらに米議会で凍結されていた海兵隊員9000人のグアムへの移転も日米両政府の働きかけにより、実現に向け動きだした」と紹介した。

 普天間基地については「学校や住宅に囲まれ、市街地の真ん中にある普天間の固定化は絶対に避けなければならない。日米双方の共通認識であろうと思う」とし「日米間で緊密に連携しながら、在日米軍の再編を着実に進め、抑止力を維持しながら、同時に負担軽減を目に見える形で実現していきたい」とした。(編集担当:森高龍二)