安倍晋三総理は3日の衆院予算委員会で、沖縄の米軍北部訓練場のヘリパッド建設は4000ヘクタールの米軍基地の返還を受けるため「やらざるを得ない」と理解を求めた。騒音など環境への影響を少なくするための努力も米側と連携して進めるとした。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員の質問に答えた。
赤嶺議員は、東村高江で進められているヘリパッド建設について、高江地区にすでに15か所のヘリ着陸帯があるのに、6つを建設することになり、このうち2つが完成し、すでに米軍がオスプレイの離着陸に活用していることから、騒音などの問題が急増している、とヘリパッド建設などの条件を付けずに返還するよう米国に求めるべきだと訴えた。
また、赤嶺議員は、東村高江の住民は6つの着陸帯に取り囲まれることになるとし、琉球大学の渡嘉敷健准教授(環境・音響工学)が今年4月に東村内3校の小中学生を対象に学校で授業を受けている時や遊んでいる時にヘリなどの音が気になったことがあるかをアンケートした結果、よくあるが39%、あるが38%だったとし、自由な記述欄では「うるさくて授業に集中できないことがある」「学校周辺は(飛行を)やめてほしい」「夜10時ころ、よく空を飛んでいるのでうるさくて寝られない。家の上は飛ばないでほしい」などを紹介。米軍オスプレイの低空飛行で家のガラスが響く、飛行後に頭痛や吐き気がするなどの声のあることも紹介し、2つのヘリパッドでこの状態だ、6つになれば被害はさらに拡大することは明らかだと訴えた。
安倍総理は「陸上において4000ヘクタールの返還は、これまでの返還の中でも最大の面積。これを返還させるためにはヘリパッドは米国側との約束であり、返還を実行させるためには、ヘリパッド建設はやらざるを得ないということをご理解頂きたい」と求めた。そのうえで「騒音など、最大限努力し、軽減するよう、米軍とも緊密に連携したい」とした。(編集担当:森高龍二)