安倍晋三総理は29日の参院本会議で、沖縄の米軍北部訓練場へのヘリパッド建設について「北部訓練場4000ヘクタールの返還を受けるため、0.96ヘクタールのヘリパッドを既存の訓練場内に移設する必要がある」とし「地元の皆さんとの信頼関係の下、関係法令に従って、所要の移設工事を進め、速やかな返還の実現に全力を尽くす」と早期返還をめざし移設工事を進める姿勢を強く示した。
安倍総理は「返還は日米合意から20年間実現しておらず、先送りは許されない」とする一方「移設による影響を受ける人たちのために十分な配慮をすることは当然で、地元の方々と密接な意思疎通を図ってきている。地元の皆さんに与える影響を最小限にとどめるよう米軍と密接な連携を図りながら万全を期していく」と答えた。
民進党の小川敏夫議員の質問に答えた。小川議員は「北部訓練場の一部返還は好ましいものだが、返還の条件とされたヘリパットの建設と運用によって地域住民が生活上の不利益を被るので、事前の説明や意見聴取、協議を十分に行うことが必要だ」と協議を要請した。
小川議員は「返還予定地域について具体的且つ急を要する使用予定も無いから、強硬手段によらず、地域住民との信頼関係の醸成に配慮した対応が必要だ。また地域住民の不利益回避のために米軍との協議を含め、あらゆる努力をするのが政治の責務だと思う」と総理の考えを質した。(編集担当:森高龍二)