アフィリエイトとは、ブログやホームページなどに、ある企業サイトへの広告(リンク)を張り、閲覧者がそのリンクを経由して当該企業のサイトで会員登録したり商品を購入したりすると、ブログやホームページのオーナー(アフィリエイトサイトオーナー)に報酬が支払われるという成果報酬型の広告手法である。
矢野経済研究所では、国内のアフィリエイト市場の調査を実施した。調査期間は2016年6月~10月、調査対象は主要アフィリエイトサービス事業者、ポイントサイト/ポイントモールサービス事業者。調査方法は同社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査を併用した。
2015年度の国内のアフィリエイト市場規模は、前年度比116.4%の1,740億2,000万円であった。EC市場の拡大及びスマートフォンの普及拡大を背景に、同市場は堅調に拡大を続けている。それにより、アフィリエイトサービス事業者の売上規模拡大とともに、ASPへの参入事業者数の増加も続いている。
また、主要な ASP の売上高拡大の最も大きな要因として、スマートフォン分野における売上拡大が挙げられるという。インターネットユーザーのスマートフォンやタブレット端末からのインターネットアクセスの頻度やボリュームが増加しており、スマートフォン上からのコンバージョン(会員登録や購入など)が増加している。そのため、アフィリエイトサイトオーナー側においても、このようなスマートフォンを使ったインターネットユーザーの集客やコンバージョン率向上のために、スマートフォンへのサイト最適化が実施されている。これらのこともあり、2016年度の同市場規模は、同115.3%の 2,006 億 5,000 万円に達すると見込んでいる。
国内のアフィリエイト市場は引き続き拡大し、2020年度の同市場規模は、3,500億円に達すると予測する。その要因としては、①アフィリエイトの費用対効果が高まることによる広告主1社当たりのアフィリエイト予算の拡大、②大手ソーシャルメディアによるアフィリエイト採用の可能性、③中小規模の広告主のアフィリエイト利用の拡大、④金融分野を中心としたアフィリエイトプラットフォームの利用拡大などが挙げられるとしている。(編集担当:慶尾六郎)