任天堂の人気ゲーム「マリオ」に便乗した不正アプリが9千件にも上ることがわかった。アダルトサイトや他アプリのインストールに誘導する手口。同社が出している公式アプリは「スーパーマリオラン」のみなので、それ以外の「マリオ」には注意が必要だ。
任天堂<7974>の人気ゲーム「マリオ」の偽物がマーケットに蔓延している。ウイルス対策ソフトを製造・販売しているトレンドマイクロ社によると、2012年から今年11月までに「mario」をタイトルに含んだ不正アプリは9千点以上に上るという。
人気ゲームに便乗してアプリをダウンロードさせる。実際にアプリを使うとアダルトサイトに誘導されたり、別のアプリをインストールさせるという手口だ。中には「Super Mario」という、同社が出しているゲーム名をそのまま使用したものまである。被害は海外が主で、インドネシアやインドなどのアジア圏が多いが、米国やメキシコでも出回っており、日本でも確認されている。
現在、同社が公式にリリースしているスマホアプリは今年12月15日に発売が開始された「スーパーマリオラン」のみ。これ以外の「mario」と名のつくアプリは全て偽物と言える。同社はアプリ運営会社に削除を要請しているものの、便乗を狙ったアプリの出現は今後も発生し、いたちごっこになりそうだ。
不正アプリをダウンロードしないためには自衛策が必要だ。まず「スーパーマリオラン」はiPhone向けにのみ配信されているので、Android版は存在しない。Androidで「mario」と名のつくアプリがあったら警戒しよう。また、「スーパーマリオラン」は完全版をプレイするためには1,200円の課金が必要だ。それにも関わらず「無料でプレイができる」という誘い文句が出たときも要注意だ。クリックしたら他のサイトに誘導されたり、アプリをダウンロードさせられる危険が高い。やはり一番確実なのは君子危うきに近寄らず。「スーパーマリオラン」以外のアプリはむやみにインストールしないことだ。
「スーパーマリオラン」は世界中でヒットしており、「ポケモンGO」に匹敵するほどのブームも予想されている。人気がある分、便乗する者が出てくるのも世の常。不正アプリの手口を知り、危険性があることも十分認識しながら、本物のマリオを楽しもう。(編集担当:久保田雄城)