2016年、住宅リフォームで業界大手が苦戦していることが、中間決算報告で明らかになった。11月に各社が発表した中間決算で、大手8社のなかで5社がマイナス、通期計画で下方修正した企業が6社となるなど、異常事態となった。
なかで、唯一好調だったのはダイワハウスだ。中間決算では売上が9.6%増の510億円。前年同期比で他社を圧倒する伸びを示した。
一方で、業界で売上1000億円規模を誇る大手の苦戦が目立つ。
なかでも、この業界で最大手と言われる積水ハウスは、リフォーム事業で当初1460億円としていた目標を40億円に昇る下方修正を行ない1420億円とした。理由として、中間決算での0.2%減収を挙げている。
業界でも積水ハウスと首位を競うトップクラスの住友不動産は、上期プラスだった業績にも拘わらず、通期で50億円の下方修正とし、通期売上予想を1010億円とした。これは、客単価の減少が顕著になってきたことの影響だという。
前期、前々期と連続で1000億円超の売上を達成してきた積水化学工業は、その大台を割り込むとした。通期での売上見込みは983億円。同社では理由を次のように説明する。「低金利や株安の影響が大きい。積水化学のメインユーザーである60歳代の含み資産が増えない現状で、彼らがリフォームに充てる資金の目途が立たない。築20年以上の住宅に住むユーザーに対するリフォームの提案では受注を得るのが難しくなっている。新しい販売促進と営業戦略が必要だ」とし、27億円のマイナス修正とした。
業界5位の住友林業も前年実績を割り込む見込みだ。前年同期比98.4%、通期予想売上635億円は予定からマイナス58億円となる。
ミサワホームは前年同期比101.3%と何とか我慢が効いた恰好で、当初予定の売上661億円を維持できそうだという。
下方修正幅がもっとも大きいのがパナホームで、この半期の実績は前年同期比94.0%と落ち込んだ。通期予測では、110億円のゲインで、売上462億円とした。
団塊の世代がまもなくすべて後期高齢者となる2020年に向けて、どんどん人口減少が進む。その影響は、「ジワリ……」とリフォーム業界にもあらわれたか?(編集担当:吉田恒)