安倍晋三総理は米国・オバマ大統領と日米開戦舞台となった真珠湾を28日(日本時間)訪れ、海に眠る兵士ら犠牲者を慰霊するとともに、歴史に残る激戦両国が今や同盟国となり「希望の同盟国」として歩んでいる背景に「寛容のこころ」「和解の力」があったと世界に発信した。そして「戦争の惨禍を二度と繰り返してはならない」という決意を発信した。
安倍総理は演説で、真珠湾攻撃の瞬時に思いをはせ「日曜の朝の、明るくくつろいだ、弾む会話の声。自分の未来を、夢を語り合う若い兵士たちの声」を想像し、「最後の瞬間、愛する人の名を叫ぶ声。生まれてくる子の幸せを祈る声」があっただろう。「ひとりひとりの兵士に、その身を案じる母がいて、父がいた。愛する妻や恋人がいた。成長を楽しみにしている子どもたちがいたでしょう」と語り「それら全ての思いが断たれてしまった。その厳粛な事実を思うとき、私は言葉を失います」と語り「御霊よ、安らかなれ。思いを込め日本国民を代表し、兵士たちが眠る海に花を投じました」と哀悼の誠をささげた。
そして安倍総理は「戦争の惨禍を二度と繰り返してはならない。私たちはそう誓った。そして不戦の誓いを貫いてきた。これからも貫いていく」と決意を示した。
安倍総理は日本が国際社会に復帰する道を開いてくれたのはアメリカだと語り、アメリカ国民の善意、支援の手、大いなる寛容のこころを忘れることはないとの旨を伝えた。そのうえで「歴史に残る激しい戦争を戦った日本と米国は、歴史にまれな深く、強く結ばれた同盟国となった。世界を覆う幾多の困難に共に立ち向かう同盟」と表現し「それは、あすを開く希望の同盟だ」と強調し「私たちを結び付けたものは、寛容のこころがもたらした和解の力です」と世界に向け発信した。
オバマ大統領は「先の大戦の酷い戦いで太平洋を分け、数千万人の命が失われた。人類の歴史の中で最も恐ろしい時期のひとつだった」と語った。そのうえで「戦争が終わると、日本と米国は友情と平和を選んだ。過去数十年、両国はこの同盟により、より成功できるようになった。国際的秩序を維持し、大きな戦争を防止しできた。日米同盟はアジア・太平洋地域の平和と安定の礎になる」と日米同盟の成果を強調した。また「お互いのためにという姿勢をいつも保たなければならない」と「お互いのために」はあえて、日本語で語り、その精神をアピールした。(編集担当:森高龍二)