天皇退位の議論で石破氏、党のやり方に疑問呈す

2017年01月28日 13:15

 天皇の退位について自民党が議長歴最長の野田毅衆院議員と党役員メンバーで議論し、他の議員は今月末までに書面で意見を提出する方針を決めたことに、石破茂前国務大臣は「静かな議論とは閉ざされた場で少数の限定メンバーで行うことのみを意味するとは思いません」と党執行部の方針に疑問を呈した。

 ただ、「決まったことに従うのは党所属国会議員というものでしょう」と諦めの弁も。また石破前国務大臣は1月末までに書面で提出することにも「多くの議員には多忙な1月末の僅か数日で、書面に自分の考えを纏める時間的余裕も無いように思う」と憲法に掛かる問題であるにも関わらず、数日の間に意見をまとめて書面提出できる議員がどれだけいるのか、この案件に対し、国民の代表者として熟慮し、その責任を果たすには時間が無さすぎるのではないかとの思いも自身のブログに綴った。

 石破前国務大臣は天皇の退位の在り方について「この議論が国民の間であまり行われない」が、そうであるなら「全国民の代表者として議席をお預かりしている国会議員が、それぞれの地域で語らなくてはならない」との考えも示し「自らの考えを訴えて参る決意です」と地域で議論する機会を提供していく考えも示している。

 天皇退位の在り方については野党第1党の野田佳彦前総理も、さきの衆院本会議で「決して政争の具にされるようなことがあってはならない」と前置きし「『政争の具にしない』ということは『議論しない』ということと同義ではない」と強調し、「私どもも議論に積極的に参加し『立法府として主体的な議論を行った上で、民意を反映した責任ある結論を得たい』と考える」と、政府の有識者会議の論点整理が政府の意向を酌んだ特例法での1代限りのものに限定する方が、課題が少ないとする方向での取りまとめになっていることも意識して、安倍晋三総理に対し、国会での議論を重視し、これを反映させる姿勢を強く求めた。(編集担当:森高龍二)