「GPIFに使途を指図できるものでない」総理

2017年02月05日 07:54

今月10日の日米首脳会談で年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が米国のインフラ事業に投資することなどを通じ、米国で数十万人の雇用創出につなげる。対米投資などで米成長に貢献できる考えを伝え、トランプ政権との関係強化につなげるなどの報道を受けて、3日の衆院予算委員会で、民進党の大串博志政調会長から質問を受け、安倍晋三総理は「指摘を受けたようなことは全く検討していない」と明言するとともに「GPIFは独立して運用しているから政府が指図できるものではない」と全面否定した。

 一方、GPIFの高橋則広理事長は「GPIFが行っているオルタナティブ投資のうち、インフラに関する投資は投資信託のスキームを活用し、2015年度末の時価総額は814億円、収益額は6億円としたうえで、全体の5%を認められているので、7兆円前後の投資が可能」と答弁。

 高橋理事長は「想定している投資対象は欧米先進国が中心であることから、米国へのインフラ投資はあり得る」とした。

 大串政調会長が「公的年金140兆円をオルタナティブ投資にいくら投資でき、いまいくら投資しているのか。米国のインフラに投資できるのか」と訊ねたのに答えた。(編集担当:森高龍二)