会社員や公務員以外の人が加入しているケースが多い国民健康保険。自己負担が少なく医療が受けられ、国民全体で医療を支える制度であり、支払う意義は大きいものの、毎月の支払額は決して安いものではなく、貴重な自分の財産からやりくりして捻出しているという思いが強い方も多いのではないだろうか。しかし、こうして我々が苦労して治めている国民健康保険が今食い物にされている現状がある。
外国人が日本に入国目的を偽って入国し、日本国内で国民健康保険を利用して安く治療を受けているというのだ。そもそも医療目的でビザを取得して日本に入国する外国人は国民健康保険に加入できないのだが、留学や就労で3ヶ月以上日本に滞在する外国人は国民健康保険に加入することができる。しかも前年度は収入がないとみなされるため保険料も最低額に設定される。
そこで、治療を受けたい外国人は留学や就労と偽ってビザを取得し、日本に3ヶ月以上滞在し、その間に1割~3割の自己負担で治療を受け、自国に帰っていくというのだ。しかも高額な医療費がかかった際に治療費を払い戻す「高額療養費制度」を使うケースもあるという。すでに日本で働いている外国人が親を扶養家族にして来日させ治療を受けさせるケースが多いほか、日本国内に外国人が不正に治療を受ける手助けをするブローカーも存在しているとかんがえられる。多くの患者は中国やアジア地域から来日していると見られており、厚生労働省も制度の見直しをする方針だ。
最低限の保険料しか治めないにもかかわらず、高額な医療費を使うだけで帰国されてしまうのでは、保険料を真面目に毎月払っている国民にとってはたまったものではない。こうした不正利用も医療費を上昇させている一因であろう。国民の貴重な財産が悪用されているのは許しておけない事態であり、取り締まりの徹底と一早い制度の見直しを願う。(編集担当:久保田雄城)