650シーベルト濃度に費用は東電も廃炉は国で

2017年02月10日 09:55

 東京電力は9日、福島第一原発2号機の格納容器内での放射線量が過去最高の毎時650シーベルト(速報値)に達したと推定される場所が見つかったと発表した。約3割前後の誤差はあるとしながらも、この濃度は人が浴びれば1分以内に死亡する濃度という。

 菅直人元総理は10日のブログで「格納容器内部から放射性物質が漏れ出す危険性は今も続いている」とリスクを発信した。菅元総理は9日の経産省からのヒアリングで「原発の解体廃炉は東電が進めると説明があった。東電の原発だから東電が責任を持つのは当然だが、実際にやり切れる見通しがあるのかが問題だ」と、費用は東電が持ったうえで、廃炉は国家プロジェクトで取り組むしかないと提起している。

 菅元総理は10日のブログで「チェルノブイリでは事故発生から30年経過したが、放射能漏れを防ぐ巨大な金属製カバーをかぶせただけで、デブリの取り出しに手はついていない」と紹介。

そのうえで「経産省の担当者が例に挙げたアメリカのスリーマイル事故の場合、圧力容器が健在で、圧力容器を水で満たして放射能を抑えながらデブリの取り出し作業ができた。しかし福島原発1、2、3号機は圧力容器の底が抜けて、デブリは広範囲に飛び散っている。水を満たすには格納容器全体に水を入れなくてはならないが、格納容器自体の強度が不足と聞いている」とリスクと課題が大きいことを指摘し、懸念を示している。

菅元総理は「チェルノブイリの例を見ると東電福島第一原発の廃炉作業は100年単位の長期になると予想される。その間も放射能漏れなどの危険が残る」と東電任せでなく、国家プロジェクトでの対応の必要性を強く訴えている。(編集担当:森高龍二)