NGOが座り込みをしようと話すと共謀罪成立?

2017年02月19日 16:57

 テロ等準備罪について、法務省は「テロ等準備罪の具体的内容は検討中であるが『組織的犯罪集団』について、結合の目的が犯罪を実行することにある団体をいうとの趣旨で用いることを検討している」とした。

 この説明に続けて「もともと正当な活動を行っている団体についても、団体の結合の目的が犯罪を実行することにある団体に一変したと認められる場合には、組織的犯罪集団にあたり得ることとするのが適当であるものと考える」(2月16日)とした。

 団体が「犯罪を実行することにある団体に一変した」と認める主体を考えれば、恣意的運用の危険はぬぐえない。

 社会民主党の福島みずほ副党首は「法務省の見解では、普通の団体が処罰されるではないか。NGOが座り込みをしようかと話すとそのことだけで組織的威力業務妨害罪の共謀罪が成立してしまう」と指摘し「大問題だ」と警鐘を鳴らす。

 昭和16年に国体や私有財産制を否定する運動を取り締まるため制定された「治安維持法」の下で、犯罪の準備行為を行ったと官憲が判断すれば検挙し、自由主義や時の政権批判まで実質的に官憲判断で「一般人が対象になり、6万人以上拘束された」事案を踏まえ、福島副党首は『現代版・治安維持法』の危険があると反対している。

 自民党の二階俊博幹事長はテロ等準備罪について、今国会での法案提出・成立を目指すのかとの記者団の質問に「現場指揮官に任せておりますから、われわれの側から『急げ』とか『もっとテンポを落とせ』とかという必要もない。信頼してお任せしている」とのみ答えた。

 また、対象犯罪を277に減らす方向について「皆『これは抵触するだろうから』などと考えながら日々送るというようなことは適切でありませんから、少なければ少ないほど良いのではないですか」と極力少ない方が良いとの考えを示した。277の妥当性については「特別の考えはありません」とだけ述べた。(編集担当:森高龍二)