2016年に全国で振り出された手形の交換高は424兆2,244億円 5年ぶりに増加

2017年02月26日 20:44

 東京商工リサーチによると、2016年(1-12月)に全国で振り出された手形の交換高は424兆2,244億円で、 2011年以来、5年ぶりに増加した。ただ、ピークの1990年の4,797兆2,906億円に比べると91.2%減の大幅減少し、手形減少の流れに変わりはない。また、手形交換所は2016年に4カ所廃止され、全国では109カ所と1997年の185カ所から41.0%減少しているとしている。

 2013年2月にスタートした全国銀行協会の電子記録債権(でんさい)の2016年の発生記録請求金額(でんさい額)は11兆1,683億2,000万円と、2015年より39.6%増加した。ただ、利用者登録数は2015年1月に40万社を超えたが、2016年12月末は44万4,025社にとどまり伸び悩み傾向もうかがえるとしている。

 2016年の手形交換額は424兆2,244億円で、2015年(299兆322億円)より41.8%(125兆1,922億円)増加した。これは大阪手形交換所の手形交換額が7.1倍(28兆6,848億円→205兆7,941億円)に急増したことによる。

 手形交換額はピークの1990年に4,797兆2,906億円を記録したが、バブル崩壊の91年以降急激に減少。2015年はピークの6.2%にまで減少した。また、手形振出の減少に伴って2016年には手形交換所が4カ所廃止され、全国の手形交換所は109カ所と、ピークの1997年の185カ所から41.0%(76カ所)減少している。

 2013年2月に運用が始まった全国銀行協会の「でんさい」は、2016年(1-12月)の金額が11兆1,683億2,000万円と、2015年の7兆9,994億300万円から約4割(39.6%)増えている。スタート元年となった2013年(11カ月間)の1兆495億1,000万円と比べると3年で10.6倍(964.1%増)に拡大している。業種別の金額は、2016年は「卸売業・小売業」(構成比41.6%)と「製造業」 (同40.0%)で、約8割を占めている。

 利用者登録数は2016年12月末で44万4,025社を数え、スタートした2013年2月末(4万5,583社)の9.7倍(874.1%増)に増えている。だが、2015年12月末の42万9,117社と比較すると3.4%増にとどまり、伸びは鈍化している。でんさい額はスタートから右肩上がりで伸びているが、2016年12月末で手形交換額の3.3%に過ぎず、従来の手形に代わるには浸透度が今一歩の状態にあるとしている。(編集担当:慶尾六郎)