12月度の全国企業倒産は件数が710件、負債総額は1,716億6,600万円

2017年01月19日 08:37

 東京商工リサーチによると、2016年12月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が710件、負債総額は1,716億6,600万円だった。倒産件数は、前年同月比1.5%増(11件増)。2016年8月以来の700件台で、4カ月ぶりに前年同月を上回った。

 産業別件数では10産業のうち6産業で前年同月より増加した。このうち、飲食業などを含むサービス業他が197件(前年同月比9.4%増)になり、5カ月連続で前年同月を上回った。また、これまで減少が目立った建設業が144件(同11.6%増)と4カ月ぶりに増加に転じ、倒産減少傾向の「底打ち」も窺われることから今後の推移が注目されるとしている。

 一方、負債総額は、前年同月比55.4%減(2,136億8,700万円減)と大幅に減少した。これは、負債10億円以上の大型倒産が21件(前年同月64件)と前年同月より3分の1に減ったことが影響した。前年同月には船舶運航管理会社グループ39社が同時に会社更生手続きの開始決定を受け、大型倒産が急増した特殊要因の反動による。

 全体としては、負債1億円未満が501件(構成比70.5%)と7割を占め、依然として小規模倒産が過半であることに変化がない。業種別では、宿泊業(8→12件)、老人福祉・介護事業(10→11件)などで増加をみせた。

 2016年12月の産業別倒産件数は、10産業のうち6産業で前年同月を上回った。このうち、飲食業や老人福祉・介護事業などを含むサービス業他が197件(前年同月比9.4%増)で5カ月連続で前年同月を上回り、卸売業104件(同5.0%増)が2カ月連続で前年同月を上回った。また、倒産の減少が目立った建設業は144件(同11.6%増)で4カ月ぶりに増加に転じたのが注目される。このほか、不動産業が24件(同9.0%増)で2カ月ぶり、製造業99件(同19.2%増)で3カ月ぶり、小売業97件(同12.7%増)は4カ月ぶりに前年同月を上回った。これに対し、金融・保険業が発生なし(前年同月6件)で2カ月連続で前年同月を下回った。件数は少ないが農・林・漁・鉱業が2件(同66.6%減)で4カ月ぶり、情報通信業は28件(同3.4%減)で3カ月ぶりの減少。運輸業は15件(同74.5%減)で2カ月ぶりに前年同月を下回った。

 2016年12月の地区別件数は、9地区のうち6地区で前年同月を下回った。増加地区の内訳は、東北が26件(前年同月比23.8%増)で6カ月連続で前年同月を上回った。また、中部108件(同68.7%増)は2カ月連続で増加した。近畿は178件(同6.5%増)で3カ月ぶりに前年同月を上回った。産業別では、東北が建設業(4→6件)や卸売業(ゼロ→4件)などで増加をみせた。また、中部は建設業(9→29件)と製造業(7→21件)の増加が目立った。

 一方、北陸18件(前年同月比10.0%減)と四国9件(同30.7%減)が、ともに3カ月連続で前年同月を下回った。九州は35件(同28.5%減)で2カ月連続で減少した。さらに、北海道20件(同9.0%減)は4カ月ぶり、関東288件(同8.2%減)と中国28件(同3.4%減)で2カ月ぶりに減少した。(編集担当:慶尾六郎)