ジャストシステムの実施した調査ではこうしたことがよく表れている。IoT照明器具、IoTオーブンレンジ、IoTエアコン、IoT洗濯機、IoT掃除機、IoT冷蔵庫に関して、音声認識での操作が必要と感じる人は10%台後半~20%台前半となっており、通知や自動調整に関しても多くの項目で30%台前半を下回っている。
IoT家電の進化が急速だ。アマゾンやグーグルのホームアシスタントは米国をはじめとする英語圏を中心に世界中で活用されており、いまでは多くのサード・パーティー製アプリの活用も可能となっている。これにより、天気予報やニュースを教えてくれたり、電気やTVを操作したりといった基本操作だけではなく、今後は食料品の注文やハンズフリーでの通話といったさまざまな機能が活用できるようになるという。また、次世代のアマゾンやグーグルのホームアシスタントには、音声操作だけでなくモニタが搭載されて情報端末やテレビとしての役割を担うことも予測されている。これは音声操作・入力がタイピングやフリック入力よりも便利なことが実感されたうえで、次の段階として情報の入力に関しては画面から得るほうが速くて快適なことが判明した結果だ。
IoT家電がなくてはならない存在になっている人も多い一方、特に日本においてはIoT家電が普及しているとはいい難い。一度使うと手放せないものも、使うまでその利便性が想像できないことも多い。ジャストシステムの実施した調査ではこうしたことがよく表れている。IoT家電6種(照明器具、オーブンレンジ、エアコン、洗濯機、掃除機、冷蔵庫)に関して、音声認識での操作が必要と感じる人は10%台後半~20%台前半となっており、通知や自動調整に関しても多くの項目で30%台前半を下回っている。例外として、IoTオーブンレンジで「食材を入力すればメニューを提案」(35.4%)、IoT洗濯機で「排水経路やフィルターが詰まるとスマートフォンなどに通知」(37.0%)、IoT冷蔵庫で「食材の在庫状況を認識して献立を提案」(36.5%)、「食材の賞味期限をスマートフォンに通知」(41.0%)といった、状況が想像しやすい項目で「必要」と認識した人が多かった。また、IoTエアコンでは外出先からの操作や自宅から離れた際の自動電源OFFなど、8項目中6項目で「必要」が40%を超えており、環境調整という性質上、つながることによる利便性が実感しやすい家電であることがわかる。
また、個人情報の提供が必要なものについては「無条件で使いたくない」が25.4%、「個人情報の種類によって判断」が50.9%と高い割合を示し、IoT家電が生活を快適にするイメージよりも個人情報流出などのリスクへの不安が大きいことがうかがえる。実際、オープンに情報をやり取りするIoT家電では、ファームウェアの脆弱性をついた悪用事例も多く、本格的な日本での普及には期間を要すると考えられる。(編集担当:久保田雄城)