社会民主党の吉田忠智党首は4日までの記者会見で「学校法人森友学園の経営する幼稚園での子どもからの思想教育は、安倍政権の『教育改革』と軌を一にした動きともいえる」と警鐘を鳴らした。
吉田党首は「現に『国旗・国歌に親しむ』との項目を保育所保育指針や幼稚園指導要領改訂で盛り込もうとしている」と安倍政権になって特に国を意識させ、愛国心育成を目指し色合いが強くなっている傾向を指摘。
小学校音楽授業においては小学校6年間、毎学年度で、いずれの学年においても『国歌を歌えるように指導すること』を義務付けている。
君が代は、指導要領の説明では「日本国憲法の下、天皇を日本国民統合の象徴とする我が国の末永い繁栄と平和を祈念した歌であることを理解できるようにする必要がある」と説明しているが、一方で、歴史的事実として、同じ、君が代の歌詞が「天皇陛下のお治めになる御代は千年も万年もつづいてお栄えになるように、という意味で、国民が心からお祝い申し上げる歌」(戦前の国民学校4年用国定修身教科書)とあることも否定できない。
君が代は国歌に法定されたものの、愛国心教育や愛国心醸成材料に使用される危惧が、この歌詞からはぬぐえないままになっている。
吉田党首は、森友学園運営の幼稚園では、同園HPによると教育方針として「先人から伝承された日本人としての礼節を尊び、それに裏打ちされた愛国心と誇りを育てる」とし、安倍総理が国会演説でもうかがわせる愛国心育成の必要や日本人としての誇りなどを彷彿させる。同園の教育内容では「毎朝の朝礼で『教育勅語の朗唱』『国歌・君が代』を斉唱します」と紹介している。吉田党首はこれらの状況も踏まえ、「愛国心」育成色を強める安倍内閣の教育改革が森友学園の愛国心育成教育と軌を一にするのではと提起したとみられる。(編集担当:森高龍二)